溝鼠のバラード
2009.4.26 17:55
美沙子は
24才の若さで
六本木の夜の世界で
No.1の椅子を
フルーツバスケットゲームのように 転がせる程のカリスマキャバ嬢だった
店も車も時計も毛皮も
全てを手に入れる美沙子は
男も高級車も全てが思うがままだった。
しかし、美沙子には
ギャンブルの性癖があり
その一つのパーソナリティが原因で
次々に夜の蝶から転落していく。
poker 闇スロット
バカラ
とどまる事を知らない
博打癖に依存しきり
電話一つで足に出来たNo.1ホスト達に
自らプレゼントしたポルシェやランボルギーニすら
ギャンブルの負債に
当てるべく、
取り返しに出る。
凄まじい悪口陰口噂が
夜の街を駆け巡り
同ホステス仲間からは
失笑され、
果ては 男を寝取り
その遺恨から、反撃にホステス仲間や社長達と合議し、美沙子を街から消そうと目論む
No.2ホステス利江を殺害。
薬にも手を出すが、
止められないギャンブルと云うイネイブラー依存
動き出す麻布警察
刑事課。
唯一、
彼女を理解していた
一つ年上で、幼なじみの
仙台にいた頃同じ小学校と同じ児童相談所にいた
恭平
は、
薬と博打に墜ちていく、
美沙子をシカト出来ず
いつも気にかけていたが
刑務所帰りの恭平には
黒い世界には戻る気も
頼る気もなかった。
あっけない傷害事件が
哀れな障害者を出す事になった哀しい服役中
出所後、
真面目な人生を誓う。
美沙子の噂を耳にするまでは。
だが、
破滅の螺旋階段を下りきった頃、
恭平は美沙子の為に
指定暴力団
吉川興業の企業舎弟になり、
次々と
六本木や渋谷
赤坂の違法バカラ
poker屋を潰しにかかるが
面倒を見ている極道組織たちに邪魔をされ
凄まじい痛手を負う。
そんな恭平の美沙子を助けたい命懸けの気持ちは
並べられたフルハウスのカードとblackjackに魅了された美沙子には届かず、
美沙子に送信した、"今ならまだ間に合う。一緒に仙台に帰ってペットトリマーショップでも開こう!朝まで六本木アマンド二階で待ってる。"と云うメールを、
美沙子が見てくれたと信じ、
真夜中のレストランで美沙子を待つ。
が、
そこに美沙子は現る事はなかった。
最後、墜ちる所まで墜ちた美沙子が
顧客時代の金融界の大物
"神藤"に頼り、
カラダの代償で
借りれた金はわずか
10万の入った封筒と
「もう見れる女じゃなくなったな。」
と書かれた千円冊。
恭平は
美沙子を救い出したいが
助けれない葛藤からレストランで美沙子の人生再生のアルバイトまで懸命に探すが、
美沙子は10万と神藤のメッセージ入りの千円冊を握りしめ、
雨の夜
恭平の待ち合わせレストランに行かず、
メールを保存した後に携帯を
水溜まりに捨て、
違法ゲーム屋に行ってしまう。
クスリも精神すらも失いかけた美沙子が
最後
四台に廻るチェリータイム jackpotに
全てを賭けようと台に座る。
頭の中では恭平のメールが鳴り響く。
飛ぶように瞬く間に消える一万円冊
最後、
美沙子がギャンブルをする相手は
全てを失った女と
手を差し伸べてくれる最後の男
人生。
そして美沙子と云う人格。
手に握り締めた10万で
チェリータイムを回す。
jackpotが落ちるのか
美沙子が墜ちるのか
jackpotは
離れた台に座る老女に落ちる。
最後の神藤からのメッセージ入りの千円冊だけになった所に、
恭平が現れる。
美沙子の涙はとまることなく
恭平は沈黙しかない
美沙子は千円冊でプレイできるblackjack台に座ってしまう。
ディーラーすら哀れそうに美沙子を見下し、
美沙子の涙はblackjack台に落ちる。
美沙子が選んだ博打と恭平の選んだ手段。
それは
全てからの逃走しかなかった。
「1からでもマイナスからでもやり直しは効くんだよ美沙子・・」
ギャンブルに狂う人間の深層心理をこれでもかとえぐり出す
哀しい終焉に
恭平は美沙子を救えるのか?
美沙子は幼なじみを無視し、
〓のjackを引くのか。
違法ゲーム屋を出れば
ヤクザも警察も待ち構えている。
利江殺害と覚せい剤乱用賭博法違反。
美沙子は無期は免れられない。
恭平は
最後美沙子を警察に保護させるか
それとも哀れな幼なじみを殺害するか
最後の博打に出る。
しかし
2人が店内で同時にみつけたのは
トイレ付近を素早く駆け抜けた
汚いのに美しい
一匹の溝鼠だった。
2人は溝鼠の目をみながら目を深く瞑った。
「あたしたち
あのドブネズミに産まれ変われたら
綺麗なカラダになれるかな」
脚本 作詞
瓜田純士 溝鼠のバラード(band新宿ヴォーカル)
このVシネ並みのストーリーから
一曲にします。
長ぇ〜〜〜!