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水島精二さん (アニメーション監督)
アメリカンガールズロックユニット・PASSPO☆によるインタビュー連載企画! 第10回目のゲストは、アニメーション監督の水島精二さん。これまでに携わられた作品の制作裏話を交えながら、作品への譲れないこだわり、集中力を途切らせないための仕事術など……タメになるお話をたっぷりお届けします!
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根岸 「私もアニメ映画が大好きなんですけど、アニメ映画を作るにあたって監督が一番大事にしているところはなんですか?」
水島 「基本的に自分が作りたいものを作るのではなくて、誰かが『こういう作品を作りたいから監督してくれないか?』って頼まれて仕事になるんです。そういう中でも、自分自身が持っている倫理観をきちっとその作品に定着するように作りたい。例えば、人間関係を描くときにも、完璧な人間は1人もいないと思っているので、表向きに見えている部分と心の葛藤だったり内面の部分を、見ている人にちゃんと納得してもらえるように作る。どんな作品でもテーマを見つけて、ユーザーに対して真摯でいたいと思っています。
でも、僕が作るものは大体、コミュニケーションのお話になっちゃうんですよ(笑)。最終的に出来上がったものを見て『水島さんらしいね』って言われる作品は、必ず人間関係や人のつながりみたいなものがテーマになっているという。本当に無意識でやっているのですが、僕の生涯のテーマみたいなものはそういうところなんだなと」
根岸 「自然にそうなっているというのがすごいですね」
水島 「そうですね。本当に職業監督だと自分で思っていて。与えられた仕事をクライアントが納得する形でちゃんと作ろう、まずそこをちゃんとやろうと思ってやってきたんですけど、結果、作ったものには一貫して同じテーマが通っていた。批評家の方とか、ずっと僕の作品を見てくれているファンの方に言われて、初めて『確かに』って気づいたんですけどね。それが10年もいかないくらい前、40歳過ぎたときくらいかな。今50なので」
PASSPO☆ 「えー!!?(驚)」
増井 「見えない!」
根岸 「若いですね!?」
玉井 「つやつやじゃないですか!」
水島 「脂性だから(笑)」
安斉 「見えないです。ちょっと衝撃を受けている……」
水島 「今月(1月)で51になります」
玉井 「いつですか?」
水島 「28日」
PASSPO☆ 「おめでとうございます!」
水島 「祝われてうれしい(笑)。さっき言った『夏色キセキ』っていう作品も、主人公4人の人間関係とか、絆、友情、それぞれが抱えている問題を描いた作品だし。これだけ同じことやっているってことは、自分にとってそれが一番大事なテーマなんだなって思っています」