INTERVIEW 011 河本準一さん
INTERVIEW 011 Mar.17.2017

河本準一さん (次長課長)

アメリカンガールズロックユニット・PASSPO☆によるインタビュー連載企画! 第11回目のゲストは、PASSPO☆のレギュラー番組『PASSPO☆航空! じぇっTV』で共演中のお笑いコンビ・次長課長の河本準一さん。気づけばPASSPO☆のお悩み相談になってしまった(!?)インタビュー、必見です!

編集=原カントくん、岸野愛 撮影=小島マサヒロ
INTERVIEW 011 河本準一さん 写真1
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玉井 「あたしたち今年で8年目なんですけど、河本さんが8年目のときってどうしてました?」

河本 「僕は18でこの世界に入ってるので、8年のときは26でしょ。大阪で8年やってきて、ある程度ファンレターももらって、テレビ番組も5・6本もらえてて、ラジオ番組もあって、劇場もあって……温度でいうと32~33度ぐらいだった。お風呂だと熱くもなく冷たいわけでもなくというぬるま湯に漬かってる、このままやったらふやけて大阪で終わるなってちょっと思った時期が8年目かな」

PASSPO☆  「なるほど」

河本 「出身が岡山なんで、大阪がゴールだとはまったく思ってなくて。だからといって東京がゴールっていうわけでもないんだけど、でも東京のお笑いを見てみないと大阪の良さもわからないじゃない? 行ってみないとわからないことはたくさんあるわけで、それでローカルの良さがわかれば戻ろうと思ってたし、そんなんも含めて8年のときに決断したかな」

根岸 「東京に行くことを?」

河本 「出る、と。相方は何でもオレの意見に賛成してくれるので、二つ返事で『じゃあ行こうか』って。お互いに大阪がゴールだと思ってないっていう気持ちは強かったんだけど、実際に行ったっていうのが8年目のときかな。でもその翌年には結婚してるので、オレ」

増井 「何歳ですか?」

河本 「27かな。子どもをつくってしまいまして。だから5、6本あった仕事も全部なくしましたよ」

安斉 「それは大阪の?」

河本 「うん。全部なくしました。その代わり、東京へ勝手に行くわけですから、吉本興業からは推しません、どうぞ勝手に行ってくださいと」

PASSPO☆  「すごい……」

河本 「じゃあ行きますいう感じで行ったので、東京出てきてもちろん仕事はゼロ本。バイトもしました。ちょうどそれぐらいの時期かな。8年、9年と言うと」

安斉 「東京に出ること以外に、大きい決断とかはなかったんですか?」

河本 「(お笑いを)辞めようっていうのは1回だけあったけど」

「あったんだ!」

河本 「辞めたろうっていうのはあった。劇場がつぶれたのよ。2丁目劇場っていう有名な劇場があって、ダウンタウンさんとか、ハイヒールさん、今田(耕司)さん、東野(幸治)さん、みんなが育った大事な大事な劇場が閉館になっちゃった。オレらはそれを目指して大阪から頑張ってたのに、わずか4年ぐらいでつぶれたわけ。そのあと出る場所がなくなって、1年半ぐらい小屋を借りてやってたんだけど、2年ぐらいたったときに新しい新劇場が建つことになったのよ。それが、base吉本っていう劇場。吉本の若手はそこに移動して、いちからやりますってことになったんだけど、支配人に呼ばれたときの第一声が「FUJIWARA、2丁拳銃、シャンプーハット、この3組を売りに出しますので、ほかのメンバーはサポートをお願いします」だった。そこに名前が入ってない時点で、『オレらはサポートメンバーだ。辞めよう』って思ったね。人生で一番“辞める”って強く思ったとき。その1回きりだけど」

玉井 「そこからどうして続けようって思えたんですか?」

河本 「ほかの芸人としこたま飲んで、『サポートメンバーの意味とかあんのか』って愚痴ばっかり言ってたんだけど、その3組はぼんぼん番組が決まっていって。愚痴は1年ぐらい続いたけど、気付いたらその番組にサポートメンバーも一応呼ばれてるじゃん、しかもそのMCよりも一番目立ったMVPはけっこうサポートメンバーが取れてるじゃんって気づいた」

根岸 「なるほど!」

河本 「MCの良さにそのときは気づいてなかったけど、これは3組を推すっていう事務所の考えと相反してんぞと。番組のサイドはオレらのほうを重宝してくれてんちゃうん?みたいな」

PASSPO☆  「すごい!!」

河本 「気付くのに1年はかかったけど、辞めなくてよかったなってそのときは思った。本当に。それで辞めたやつもいたけど・・・結論を言うと、辞めたらゼロじゃん」

藤本 「確かにそうですね」

河本 「でも辞めなかったら絶対ゼロにはならない」

玉井 「めっちゃいい言葉」

河本 「ほんまに思わへん? 50歳になろうが60歳になろうが、辞めへんかったらゼロじゃないんやなって。そこに気付かないと。辞めてしまうとすべておじゃんやから」

「泣きそうな子が1人……」

根岸 「泣くじゃん」

増井 「泣くじゃんもう」

(ここで玉井が、別の仕事で退席)

河本 「ラジオな。頑張って」

玉井 「失礼します!」

河本 「(泣いているいる増井を見て)……って、泣かそうと思ったわけじゃないのよ」

増井 「いや。今のはもうめちゃくちゃ……めちゃくちゃ染みました」

河本 「深イイ(笑)」