INTERVIEW FILE 010 スミス (映像ディレクター)
PASSPO☆のさこてぃこと槙田紗子さんによる「マキタジャーナル」第10弾!取材や文章を書くことに興味のある彼女が、様々なジャンルの一線で活躍する方々にインタビューし、インタビュー力を鍛える企画です!今回は、大手企業のCMから大物ミュージシャン、アイドルのPVまで、オファーが絶えない超人気映像ディレクター、スミスさんにご登場いただきました。
スミス 「あー、でもあんまり俺のいうとおりにやってもらってもうまくいかないんですよ。それだったら自分で全部できるはずだし。カメラマンだったら、例えば全体のダンスシーンを撮るときに上からだったり正面からだったり撮り方はたくさんあるわけじゃないですか。だから一度カメラマンに任せて、それがいいものであれば採用、そうじゃなければ別の撮り方をお願いする感じで。それぞれのスタッフが本領発揮できるようにして、その中で一番いいものを選ぶっていうのがディレクターの仕事なのかなと思っていて。すごくたくさんの選択肢の中から一番いいものを発見することが重要。なので自分の思い通りにしようというよりも、スタッフの上手な部分を引き出して自分の好きなように組み立てる感覚です。」
槙田 「そういうことなのか、、。音楽と映像の関係性はどのようなものだと考えていますか?」
スミス 「音楽って色んなものがあって色んな人が聴くわけですよね。そのときになんで感動するかっていうと、みんなそれぞれの実体験に照らし合わせているからで、例えば別れの曲だったら、死んだ母親と別れたときだったり愛犬と別れたときだったり友達が引っ越すだったりいろんな別れがあるわけですよ。その曲を聴いたときに自分が体験した別れを思い出して感動するんですよね。なので、曲と聴いている人の「間」を取り持つのが映像だと思っていて、だからあまり限定しないほうがいいなって。自分の体験の別れの部分を思い出させるような映像を作るのことでみんなが感動できるものを作ったほうがより多くの人に曲を聴いてもらえるんじゃないかと思います。」
槙田 「歌詞は恋人同士の歌詞だけど、映像は恋人同士を写さないで作ったりということですよね。捉え方よって色んな作品に変わるというか。」
スミス 「そう。例えば手と手が離れていく映像を入れるだけでなんの別れなのか見ている人に想像して貰えて、想像の幅がどんどん広がっていくじゃないですか。それが音楽と映像の関係性ですかね。」
槙田 「すごいです、、。」
スミス 「まぁ言ってるだけです。」
槙田 「いやいや。曲を聞いてすぐ直感で映像が思いつくんですか?」
スミス 「そういうときもあるし、思いつかないときは探りながらいろいろ試します。」
槙田 「わたし振り付けをしていて思うのですが、好きなジャンルとかけ離れていたり今まで自分が触れてこなかったジャンルの曲だとすぐ煮詰まるんですよ。スミスさんは煮詰まったときどうしてますか?」
スミス 「そういうときにまず思い出すのが「いままでどんなに煮詰まったときも最終的に作品ができなかったことは一度もない」ということ。なんだかんだ出来ませんでしたって辞めたことはないから大丈夫かなって思うのと、あとは自分の思ったことが常に頭の中に断片的にあって、犬可愛かったなぁとかカレー美味しかったなぁとか。そういうのを家で腹筋してるときとかにふと繋がったりするんですよね。犬の格好してカレー作ったらおもしろいんじゃないかとか。」
槙田 「へぇー!すごい!」
スミス 「犬の格好してカレーはないですけどね。でもそういうのを曲に合わせてパーツパーツで埋めていくというか。」
槙田 「ネタ帳とかあるんですか?」