INTERVIEW FILE 017 双木昭夫 (ヘアメイクアップアーティスト)
PASSPO☆のさこてぃこと槙田紗子さんによるインタビュー連載「マキタジャーナル」。取材や文章を書くことに興味のある彼女が、様々なジャンルの一線で活躍する方々にインタビューし、インタビュー力を鍛える企画です。そんなこの連載、今回は愛されドールメイクでタレント、そして若い女の子から圧倒的な支持を得ているヘアメイクアップアーティストの双木昭夫さん。女子のココロをつかみまくるメイクアップの秘密に槙田さんが迫ります。
双木 「だいたいのメイクさんは専門学校でメイクの仕方を習ったり、雑誌とかを見て勉強して一流になるけど、どのメイク本を見てもメイクの仕方って同じじゃない。同じ風にやると同じような顔が出来てきて。でもメイクさんも、アイドルやタレントと同じように人と違うオリジナルなものを打ち出していかないといけなくて。だからあえて人と違うことをするんですね。」
槙田 「ふむふむ。」
双木 「何が違うかっていうと、学校で習うメイクっていうのはみんな『ビューティー』なのね。メイクをすると大人っぽくなるってゆう。大人っぽさや綺麗さがいいものとされていて、それはそれでアリなんだけど。自分は納得いかなくて。」
槙田 「うんうん。」
双木 「別に大人っぽくなくてよくない?って。せっかくこの子可愛いのに大人っぽくなっちゃってガッカリ!みたいな。どこかで習ったメイクをするとそうなっちゃうのよね。僕は違うことをしなきゃと思って考えた結果、大人っぽくなるの逆で、メイクをするほど幼くなるメイクをしよう!と思ったんですね。」
槙田 「最初は専門学校に通っていたんですか?」
双木 「僕の頃はまだメイクの専門学校があまりなくて、唯一shu uemuraっていうブランドが学校をやっていたけど学費がバカ高くて。僕みたいな田舎の高校生は行けなかったから、普通の美容学校に行って、美容師になった。」
槙田 「美容師さんだったんですね。」
双木 「メイク学校出ても美容学校出てもだいたい一回は美容師さんになるのね。意外とだいたいの人がメイクって出来ちゃうのよ。でも髪の毛の方が綺麗に扱うのが難しいからね。サロンで働くと色々な髪質の人を年中扱って、それを2~3年やるとすごく上達するし、逆にそれくらいやらないと基本的な部分が難しい。ちょっとメイクして、髪の毛ゆる巻きなんてことは簡単にできるわけ。でもそういう仕事ばかりじゃないじゃない。ピチっと固めたり、シャンプーのCMなみにツヤツヤにしたり、着物のときの日本髪とかは基本ができてないと後で大変な思いをするから。私もそうやって勉強したし、うちのクララシステムのメンバーもそうやって勉強して技術を磨いて、プロとしての最低ラインにたつのね。そのプロとしての最低ラインにたってから、もっと上のレベルの人たちがたくさんいるわけじゃない。その中でみんな同じ方法で同じようなメイクをすると、なかなか大変でしょ。でも僕みたいに他と明らかに違うと、今までやってきたメイクさんと違うメイクが出来る。人によってはそれが気に入らない人もいるし、いつもと違う顔になるからマネージャーさんに注意されたりするけど(笑)。」
槙田 「へぇ~!」
双木 「それで急いで直したりする場合もあって。なんならそっちのほうが多かったりするんだけどぉ。」
槙田 「ええっ?!そうなんですか?」
双木 「意外とそうだよ。年がら年中怒られてますよ。」
槙田 「うちらは自由なのでわからなかったですね。」
双木 「その中でPASSPO☆みたいに、クララシステムのメイクをいつもと違うけど好きって思うと他に頼めないじゃない。」
槙田 「ほんとそれです。」
双木 「でしょ?それがクララシステムの作戦なんですよっふっふっふっ。」
槙田 「『ViVi夏』のPV撮影覚えてますか?あのときに双木さんにメイクしてもらって、目尻だけアイラインひいて、目尻だけつけまつげをして、アイシャドウも目尻にかけて濃くしていただいたんですね。そしたら自分の顔が生まれ変わったみたいで!それまではアイラインを目頭からひいて、シャドーも一色でつけまつげなしだったんです。でもその日からはずっとその双木さん方式のメイクなんです。」
双木 「おおっ!偉い!」
槙田 「双木さんのおかげでこの顔があるんです(笑)。」
双木 「そのメイク方法は、実は基本パターンというか。メイクってその人の顔によって考えながらやるんだけど、ベースになっている私のドールメイクはまさにさこてぃにしたメイクで。目の位置を離して、下げるようにメイクをするのね。」
槙田 「離して下げる!」
双木 「二次元のキャラクターやヒットする美少女はみんな目がぱっちりで離れてて位置が下がっているのね。ふなっしーとかピカチュウとかキティちゃんも。」
槙田 「ほんとだ!!!!すごい!!!」