Apr 30, 2019
INTERVIEW FILE 021 西田一生 (振付師)
これまた突如復刊「槙田紗子のマキタジャーナル」! 槙田紗子が心から敬愛する皆さんにインタビューする本企画ですが、今回は振付師の西Pこと、西田一生さんがご登場くださいました。もはやレジェンド級の振付師として数々の実績を残す西田さんに、槙田さんも、学ぶところが多かった模様です。もはや取材なのか!?っていうくらいに西田さんの話に聞き入る槙田紗子をご覧ください。
文=槙田紗子 編集=原カントくん 撮影=川村将貴
槙田 会社立ち上げたのは、おいくつのときだったんですか?
西田 実を言うと、大学生のときに今の西田プロジェクトは作ってる。
槙田 え!そうなんですか?
西田 うん。でもダンサーの会社になるとは思ってなくて、舞台を作りたかったの。役者さんやダンサーさん、作家さんや作曲家さんもどんどん仲間に入れて、舞台やミュージカルみたいなものをクリエーターとしてショーアップする会社がやりたいと思ってたんだけど、やっぱりお金かかるし、集客も難しいんですよ。相当才能がある方たちがやるならね、、宮本亜門さんとか、かっこいいなと思って見てたんだけど、ああいう才能は、自分にはちょっとないなと思って。じゃあ、その中の一部分のダンスに絞ろうってなったんですよ。で、振付とダンサー派遣とかをやるダンサープロダクションとしての業務に縮小したのが、今の会社です。最初は大学生のサークルノリですよね。大学のサークルで、劇団作るような感覚で。そのときから、西田プロジェクトっていう名前はあったんですよ。
槙田 でも、会社を作るって結構、勇気いりますよね。その勢いみたいなのがすごいなって。
西田 うん。勇気いったね。まず、師匠から離れて独立する決断が、一歩目でしょ。あと、スタジオとか事務所を構えるっていうのが、やっぱりお金がかかる。初期投資がかかるじゃない。物件も東京中探して、渋谷、下北、自由が丘辺りで探したんだけど、高いんだよね。その当時の自分たちにはそんなお金もなかったし、少しローカルな駅にずらして、そこにスタジオを借りました。やっぱりスタジオとか事務所がちゃんとあって、仲間が集まって一緒に業務ができる場所があるっていうのが、自分の中では結構重要だった。場所が決まると急に仕事が増え始めたりね。振付を作るのは1人かもしれないけど、それを回していく作業って1人では絶対に無理だと思うから。槙田さんは今、1人ですか?
槙田 1人なんですよ。そもそもダンサーさんとの繋がりが全然なくて。自分はアイドルしかやってこなかったので、芸能の繋がりはあるんですけど、やっぱり事務所に入ってる子は気軽に動かせないし、師匠もいなくて、専属アシスタントもいなくて。で、やっぱり振付するグループの規模が大きければ大きいほど、振り動画を送らなきゃいけなかったり、フォーメーションを見せるためにダンサーさんが必要だったりするじゃないですか。そういうときいつも大変で。
西田 どうしてるの?
槙田 今は、舞台で共演した踊れる子とかに「交通費しか出せないんだけど」って言って、来てもらうとか。あと、1人だけたまに手伝ってもらってる先生がいます。
西田 そっかぁ。
槙田 ダンススタジオ出身でダンサーになって、ダンサーから振付師になった方って、ダンサー仲間がいっぱいいるじゃないですか。あとは生徒に手伝ってもらうのが結構多いと思うんですけど、私にとっての生徒というか、教えてる子たちは現役アイドルになっちゃうんで。
西田 そこはネットワークが必要だね。
槙田 そうですよね。まだ自分が振付師としてちゃんとやせてもらえてから2年ぐらいしか経ってなくて、まだキャリアもそんなにないですし、これからそういう人と出会えていけたらいいなと思うんですけど。
西田 ダンスの振り付けを作るっていうのは、まず振りを考える、それからデモビデオがまず1個大事でしょ。48グループさんとかだったら、16人とか20人とかの、ハロプロさんとかもそうなんだけど、フォーメーションがあってのダンスだったりするから、1人で踊ってる映像送っても、その面白さが伝わらないっていう。
槙田 そうなんですよね、、、
西田 フォーメーションをどんどん変えていくことの面白さを狙って作っても、1人で踊ってると、ただ歩いてるだけになっちゃうもん。ビデオ見てもこれはどこが面白いんだろうって思っちゃう。
だから、それを撮ろうと思うと、まずスタジオを借りるから始まるわけでしょ。自分のところのスタジオ持ってると、時間無制限で使えるし、夜中も音楽かけて作業できる。あとは、振付師によって癖が出たほうがいいと思っていて、その振付師さんしかしない独特の雰囲気があったりとかすると思うんだけど、自分の雰囲気を理解してくれてるダンサーが何人いるかが結構大事で、自分が変な振りをあえて作ったときに、「西田はこうやって変なところを作ったのね、じゃあこんな風に踊ればいいんだよね。」っていうのを分かってくれるダンサーがいっぱいいてくれると、強いんですよ。それを言葉で説明して伝えるのはなかなか難しいから、それを言葉がなくてもあうんの呼吸で理解し合えるチームワークって結構大事かも。そのチームで撮ったビデオを、会議室でレコード会社の方や制作会社の社長が見るわけで、その時にこれ面白そうじゃんって言ってもらえるかどうかっていう。