太田出版ニュース
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先にアップされた記事で報告されたように「東京都青少年の健全な育成に関する条例」改正案への反対署名は発送リスト作成時点で816名という大変な数となりました。時間のない中での呼びかけであり、まさかこれだけの署名が集まるとは思っていませんでした。締切を4時としたため都議会議員あてに発送したリストには間に合わなかった方もいらっしゃるかと思います。お許しください。
署名は本日、すでに全都議会議員127名あてに発送しました。
都議会議員の方々にはぜひ短期間に集まった人数の重みを受け止めていただき、いかに著作者、創作者が今回の改正案に危惧を抱いているかに気づいていただきたいと考えます。
以下、署名に同封した都議会議員の方々への手紙の抜粋です。
「同封いたしましたのは太田出版と関係のある著者・クリエーター・編集者等の反対署名です。太田出版は社員数25人の小出版社ですが、その我々と関わりのあるなかでこれだけの反対が集まりました。
もとより青少年が健全に成長することに異論はありません。しかし著作物に対し国法とは別の立場から不明瞭な倫理的規制を加えるべきではなく、ましてや今回課題となっている「非実在青少年」の規制は、創作表現にとって著しい障害となります。
そもそも創作は既成の概念に対しての違和感がその原動力となります。
現在青少年が読むべき古典とされるものの多くは、その登場時点においては価値紊乱として多くの論議を巻き起こしたものです。時代の検証に耐え読者自身に選びとられたことにより名作として生き残りました。マンガ、映画などの映像においても同様です。
特定の判断者が特定の基準で線引きすべき問題ではないと考えます。
今回の改正案はその規制対象が極めてあいまいであり、創作者はもとより、販売者を疑心暗鬼に陥らせ、新たなる著作物誕生の可能性を著しく阻害するものです。全国の都道府県にとって指針となる東京都が安易に成立させるべき改正案ではないと考えます。
創作の貧困化はひいては青少年を健全に育成する土壌をも痩せ細らせます。
ぜひとも採決への反対をお願いいたします。」
太田出版はあくまで声掛けと集約をしたにすぎません。様々な思いを持った個人個人の方々が一点において集まったということが重要だと考えます。
19日の採決で改正案が不成立となることを願っています。
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