新刊刊行記念 しみけん×吉田尚記トーク&サイン会レポート

■イベント概要■
「しみけんさん・吉田尚記さん トーク&サイン会」
日時:2018年5月25日(金)19時開演
会場:東京交通会館3階 ジュン喫茶室

多くの人が行き交い、賑わう有楽町の街。2018年5月末、駅前の東京交通会館3階「ジュン喫茶室」では、なんとも異色なイベントが開催された。“1万人の女性を抱いた男優”しみけんと、“元コミュ障のオタク没頭アナウンサー”吉田尚記によるトークショーだ。満員の会場は、ふたりの話に終始抱腹絶倒! エロからAI、シンギュラリティまで、なぜこれほど話を繰り広げられるのか。掲載できない内容を大幅にカットし(笑)、会場中が「没頭」したトーク、どうぞご覧ください!

日本に70人しかいない
職業ってなーんだ?

吉田 (会場を見渡して)貧相な男にはまったく興味ないという人も座っていそうですね。

しみけん そんなことはないですよ(笑)。ただ、お客さんの層が真っ二つに割れていそうですね。

吉田 たしかに、そうかもしれません。

しみけん 相当異色なイベントなんだと思います。

吉田 イベントをアナウンスしたときに「意外!」というリアクションをたくさんいただきましたので。

しみけん あ、僕AV男優やっているんですけど。

吉田 見た瞬間にわかる職業のひとつだと思いますよ、しみけんさんの場合(笑)。

しみけん そうですかね(笑)。僕、食事会みたいな場で「職業当てクイズ」の飛び道具として呼ばれることがよくあるんですよ。大手企業の名刺が並ぶなか、僕の名刺がバーンと出たら異色じゃないですか。見たことある男性は正解を出される方いますけど、女性は初めましての方が多いです。AV男優にはなかなか会わないですから。

吉田 いきなりお会いした方に「AV男優ですか?」って聞くこと自体あまりないですから(笑)。

しみけん ははは(笑)。なので、ひとつずつヒント出していくんですよ。「日本に70人しかいません」とか。

吉田 それTwitterに書いていましたね。

しみけん はい、風邪引いたときに医者に言われました。初めて行った病院だったんですが、カルテに「AV男優」と書いたら、先生に「忙しいんでしょう? 70人しかいないから」と。

吉田 その先生が詳しすぎる(笑)。

しみけん そのヒント出しても、なかなか「AV男優」って当てる人もいませんね。

吉田 まず70人しかいないことに驚きです。そうするとめちゃくちゃ忙しいんじゃないですか? つくられるものの本数に対して。

しみけん 月にアダルトビデオって4,000本ほど出ているんですけど。

吉田 (会場スタッフに)出版点数は、いまどれくらいですか? 日に120本、ということは、月に3,600本。AVと本は同じくらいってすごい話ですね。つまり、この世に著者が70人しかいないってことですよね。

しみけん そういうことか(笑)。

吉田 当然、芥川賞くらいは獲っていらっしゃる。

しみけん ノーベル文学賞までいくかな(笑)。

吉田 AV男優のなかでもしみけんさんは確実に村上春樹さんくらいの地位はあると思うんですよ。

しみけん ははは(笑)。あ、勝手に会話始まっちゃっていますけど、このふたりの関係、はてなですよね。そこから払拭しましょう。

吉田 クイズ繋がりなんですよね。今回しみけんさんの『やっぱり熟女がいちばんでした。』(KADOKAWA)の担当編集さんが始めた「クイズ夜会」っていうクイズサークルにお呼びいただいときにいらっしゃって。

しみけん そうそう、それでなんでこのイベントやることになったんでしたっけ?

吉田 『没頭力』(太田出版)を出してから、プロモーションイベントをちょくちょくやっていて、まだまだやりたいんですが、僕が勤めているニッポン放送のいちばん最寄りの大きな本屋さんがこの三省堂有楽町店さんなんですよ。三省堂さんには出版の度にいろいろなイベントやらせていただいて、「今回もなにかやりましょう」となりまして。ただ、いままでとはちょっと違うことをやりたいなと。それで、どなたかとコラボしようってなったときにみんながびっくりしてくれるお相手がいいなと思って、「しみけんさんも本出されましたよね?」と僕からお声掛けしました。

しみけん ありがとうございます! じゃないと、こんな地下に潜っている人間が出られるイベントなんてロフトプラスワンくらいですよ(笑)。

吉田 ははは(笑)。結局、今日はクローズドのイベントになってしまったんですけど、本当は金曜の夜ですし、外には人がものすごくいるじゃないですか。しかも、ビジネスマンの人たちって、絶対しみけんさんのこと知っているのに、口に出さないタイプの人がいっぱいいそうですし。

しみけん 「おれ知らねえけど、なんかやっているから一応見るよ」感する人ね。

吉田 昨夜も見た人は絶対いると思う。そういう人たちの本性を暴きたくて、初めは「外でやらせてください」とお願いしたら、三省堂さんは二重丸でオッケーだったんですけど、交通会館さんから全力で止められたっていう。

しみけん 交通会館さんだったんだ。

吉田 「ご家族連れも通りますんで」と。

しみけん 確かにオープンスペースでマイク握ったら「皆さん、クンニちはー!」って僕言いますもん。

吉田 言ってほしいー!(笑)

しみけん 交通会館さんの判断、正しかったかもしれないですね(笑)。

吉田 でも活動実績があれば大丈夫みたいですので。

しみけん 僕、「早稲田大学講演会で800人の前で2時間漫談しました」とか「兵庫県明石市に呼ばれて講演しました」とか書かせていただいたんですけど、全部却下されました(笑)。

吉田 残念ながら、「ふたりでやるとまずいことになるんじゃないか」というご判断なのかもしれないです(笑)。だから今日ここで無事に終えることができれば、次回は交通会館の前でやりたいですよね。

しみけん やりたいです! やっぱオープンだとまったく知らない人が見てくれるというメリットがあるんで。

吉田 そうなんですよ。今日に関しては両者のイベントであるので、ラジオを全然聞かない人もいらっしゃいますでしょうし、逆にAV全然見ないっていう方もいらっしゃるはず。これはこれで意味があると思います。

しみけん 交流会ですね。

地雷を踏み越えてきたからこそ、
いまがある

吉田 今日もお仕事終えてからなんですか?

しみけん はい、ヤってきましたよ!

吉田 かっこいいです(笑)。なにをやってきたかお伺いしても。

しみけん (被せ気味に)セックスです!

吉田 ははは(笑)。どういうシチュエーションで、どういうことをなさってきたのかのは、今日話しておくべきだと思うんですよ。次回、交通会館の前では聞けない可能性があるので。

しみけん そうですね(笑)。今日は何年かぶりに再デビューした女の子の一発目でした。その女優さんは5本だけ出演してから辞めてしまい、それから休止期間を経て再デビュー。「お久しぶりです」みたいな話をしたんですけど、最初わからなかった。あるあるなんです、正月挟むと顔変わっているとか。

吉田 クオリティアップがあったと?

しみけん アップかダウンかはわからないですけど(笑)、「韓国旅行行ってきます」とかも帰ってくると大体顔が変わっている。

吉田 そうなんですね(笑)。

しみけん あまり深く聞かないものなので、なんで休止期間が開いたかとかはわからないんですが。

吉田 深いところまで聞かないのが基本なんですか?

しみけん そうですね。どこに地雷が埋まっているのかわからないじゃないですか。だって人前で裸になってセックスをするって、なにかしらありますよ。

吉田 そういったことは、しみけんさんの『光り輝くクズでありたい』(扶桑社)にいろいろ書いてありますよね。

しみけん ありがとうございます。よくご存じで。

吉田 とても面白かったので、いろいろな人に勧めているんですが、そしたら番組のスタッフがなにを勘違いしたのか、「吉田さん、ローションまみれになって、最後にがりを使ってローションを落とすのをやってみましょう」っていうのをニコ生でやったことがあるんですよ。

しみけん ははは、番組スタッフ取り違えましたね(笑)。AVでローションプレイってドロドロになるんですが、落ちない落ちない。それにスーパーマーケットとかで売っている豆腐を固めるにがりぶっかけると、ボロボロと一気に落ちてぬめりがすぐなくなるんですよ。

吉田 「それをやってみたい」って言って、全身ローションまみれになって一回それをやるっていうのをなぜかやったんですよ。

しみけん 落ちたでしょ?

吉田 落ちました。

しみけん そのあと、ゴムボールみたいなボールができるでしょ?

吉田 はい、色の付いていないカラーボールみたいなやつが。

しみけん そうそう、うにゅうにゅしたやつ。それをキャッチボールするっていうのがスタッフとの間でのAVあるあるなんですよ。そのほかにいえないことはいっぱいあったりしますので、女優さんには深く聞かないようにしています。

吉田 (会場に)『うんこ座りでオトコの悩みの大半は解決する!』(扶桑社)『やっぱり熟女がいちばんでした。』どちらを買いましたか?『うんこ座り』の方?

しみけん (会場を見渡して)ありがとうございます! あれ女性にも効果ありますから。冷え性も治るしね。

吉田 女性が『うんこ座り』をレジに持っていくときって、どういう気持ちなんですかね。

しみけん どうだろう、いつもはカードで切る派が現金ピッタリで買うとかなんですかね。

吉田 履歴に残らないように(笑)。『熟女』は?

しみけん (会場を見渡して)あー、嬉しいですね!

吉田 僕が知っているお客さんたちは『熟女』派が多いですね。

しみけん その本は女優さんを深掘りしていろいろ話を聞きました。

吉田 しみけんさんって、かっこよく言うと、体だけの関係をずっと続けているんですか?

しみけん そうですね、だから初めて聞く話が多かったです。

吉田 いままで何度も現場をともにされている方も多いわけですよね?

しみけん 多いですね。デビュー作で初めての相手をさせていただいた女優さんにもインタビューさせてもらいました。それで、その当時の私生活の話を聞いたら、お姉さんがある事情で捕まっていて、お母さんが病気で倒れているときにデビューしたとか話してくれて。だから、変なこと言わなくて良かったと思って。

吉田 変なことってなんですか?

しみけん 「シャブして?」「シャブって?」みたいな。わかんないけど。

吉田 ははは(笑)。

しみけん 本当にどこに地雷埋まっているかわからない。

吉田 いまのはふつうに埋まっていると考えますよ。

しみけん シャブってるときにピンっとなって「あーーーっ!」となるかもしれないし(笑)。でも本当にびっくりしたのは、男優女優ともに撮影入る前にシャワーを浴びるんですけど、お風呂場で体を拭かないでメイクルームに戻ってきた女優さんがいたんですよ。そうすると、スタジオがビシャビシャになるわけじゃないですか。それで、メイクさんが「ちゃんと水はお風呂場で拭いて上がりなさいってお母さんに言われなかったの?」って言ったら「うわーーーん!!」って泣いてしまいまして。「お母さんいないからそういうふうに叱られたことない」って言って撮影が止まっちゃった。お母さんいないんですよ。それで、いまの時代、撮影が止まったときに「頑張ろう」「もうちょっとだし、みんなも集まっているしさ」っていうと強要になっちゃうので、どうしようもできない。

吉田 あ、いまそうなんですか!

しみけん はい。だからメイクルームがガシャンと閉まっていて泣いているので、「今日は長いな」とみんな待つわけですよ。

吉田 もう「天岩戸」が開くのを待っているかのような。

しみけん 本当にそれです。だからもう「こっちも楽しいんだよー」っていうことをみんなでアピールして。「わははは」って楽しそうな雰囲気をつくって、女優さんから「頑張ります」っていうのを待つ。なかなかいまのAV界も厳しいんですよ。

吉田 僕はラジオのアナウンサーなので、めちゃめちゃ人の話を聞くんですが、いまの話を聞いていて思ったのは、ラジオの場合、生放送なので地雷踏んだら即アウトなんですよ。無意識だったんですけど、やっぱテクニックとして使っていることに気付きました。子どもの頃の話を聞きたいときにも、絶対に「お母さんは?」とは言わないんですよ。お父さんお母さんになんらかのトラブルがある可能性がすごくあり得るので。こういう場合、「ご家族はどうしているんですか?」という聞き方をしています。完全に天涯孤独の人はそうそういらっしゃらないと思いますので。

しみけん なるほど、もう自然に身に付いているんですね。

吉田 でも何度かめちゃくちゃ強烈な地雷を踏んでいたこともあります。「お姉さんいるんですか?」と話をしたら、「姉は先月亡くなりました」と。

しみけん 地雷の上に立っていることありますからね。「足動かせねえ」というような状況。

吉田 そういうことをいっぱい踏み越えてきていまに至っています(笑)。

AV男優もアナウンサーも
仕事の質は似ている

吉田 『熟女』のお話を聞いていて驚いたのは、僕らは人生で「じゃあ」って言って、お会いした瞬間にセックスしたことないんですよ。一応、僕は放送でいままでの経験人数7人って言っているのが事実なんですが。正確には、6人とそういうことをして、2人はその手前まで。

しみけん なんでそこで終わっちゃったんだ!(笑)

吉田 昔の「オールナイトニッポン」で見栄を張って7人と言っちゃったので。改めると6人+0.5人×2回ってことです。公称は7人っていう言い方にしているんですけど(笑)。つまり、大体においてちゃんと仲良くなって、向こうの事情を全部わかったうえでしか、そういうことが起きたことないんですよ。

しみけん なるほど。

吉田 逆に言えば、僕は「初めて話します」といった話を山ほど聞いているんですが、そういう人たちとほとんどそういうことにはなっていない。当たり前ですが(笑)。だからそういう順番がまったく逆だなと。もしかして、人の話を聞くほうがセックスするより怖いですか?

しみけん そんなことはないですよ(笑)。たぶん僕たち共通していることって、「コミュニケーションを取る」というところだと思うんですよ。「喋る」ことはコミュニケーションを取ることですし、「セックスする」ことも最大のコミュニケーションですから。

吉田 それ、『グラップラー刃牙』にも書いてありました。たしか、「戦いというのは相手が絶対にされたくないことをすること。一方、相手がしてほしいことをすることがセックスだ!」といったようなことが。

しみけん ははは(笑)。でも、人の心理って難しいもので、エロに関しては嫌がることのほうがやりたくなりますよね。

吉田 それは向こうが「話聞かないでください」って言っているところが本人は「いまなら言えますよ」って顔しているときと近いですね。

しみけん それが攻め時だっていうことですね。

吉田 そうそう、いま扉が開いているっていうとき。

しみけん そしたら、僕は挿れますね。「扉が開いてるー!」って。見てわかるじゃない。偉いもので人間の体ってすごいんですよ。女性ってビラビラがあるでしょ?

吉田 これはさすがに交通会館の外ではできない話(笑)。

しみけん あれはね、「受け入れ態勢OK」というときにパカっと開くんですよ。

吉田 それはもうメンタル的に?

しみけん そうそう、花開く。すごいですよ、人間の体っていうのは。

吉田 お仕事的にはそこまで持っていかないといけないんですか?

しみけん まあ、相手も仕事ですから閉じちゃうときもありますよ。なるべくなら開かせたいですけどね。

吉田 オープンしているほうがいい仕事にはなりやすい?

しみけん そうですね、いい仕事のことが多いですかね。なにをいいとするのかも難しいところではありますが。

吉田 しみけんさんの考える会心の仕事ってなんですか?

しみけん ふたつあって。僕、女優さんのデビューの相手をすることが多いんです。開“膜”戦投手のようで、AV男優としては誉れなことなんですけど、それで「初めての相手がしみけんさんで良かったです」「リラックスできました」とか言われることがまずひとつ。それで、そのデビュー作が売れたらいい願掛けじゃないですけど、「験担ぎでしみけんに当てたら売れる、伸びる」というふうに言われたら嬉しいです。もうひとつは、見てくださった方から「あの絡みのあの子の表情すごく良かった」って言われると、やっぱ良かったなって。

吉田 めちゃめちゃ仕事の質が似ているかもしれません。僕もラジオに初めて出るっていう人を相手にすること多いんですよ。ニッポン放送はラジオ局のなかでも、僕が担当している「ミュ~コミ+プラス」という番組は新人のアーティストがバンバン出るんで。たとえば、大原櫻子ちゃんとか。そのときに「すごく楽しかった!」っていって帰っていかれたり、「この番組がいちばん最初に出やすいです」って言われたら勝ちな気がします。

しみけん それですよね!

吉田 それがひとつと、あとは「この話、誰にもしたことなかったんですけど、なんかそういえば思い出しました」って言われたら勝ちなんですよ。すごい近いなと思って。

しみけん 嬉しいよね。「初めて中でイキました」っていうのと同じですよ。

吉田 そういうことです(笑)。

しみけん コミュニケーションを仕事にすると、そういうところに行き着くってことなんでしょうね。

吉田 じつは以前に出した『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)という本が、まさにコミュニケーションの本で、ありがたいことに読んでいただいた方が多かったんです。それで今回、好きな本を出していいってことになりまして。

しみけん それ理想ですね! 何万部売れたんですか?

吉田 13.5万部です。

しみけん 13.5万部!! どれだけすごいかっていうと、100m11秒台くらいですかね。

吉田 そうですね(笑)、高校生だったら全国大会行っているかなくらい。

しみけん メディアを見ていると、平気で「100万部突破」っていうんですよね。

吉田 『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)みたいにね。

しみけん 僕もあれ読みましたけども。「これで何百万部なの?」って感じするじゃないですか。

吉田 でもそれでいうと、過激なAV見ても、「これが何百万本なの?」って思わないじゃないですか。

しみけん たしかに去年、乳首モノがあんなに売れるとは思わなかったです。

吉田 あ、そういうもんなんですか?(笑)

しみけん そう、なにが売れるかわからない。でも、13.5万部はすごいですよ。

吉田 ありがたいことに。

しみけん 10万冊売れたら社長賞が獲れるレベルですから。1万冊売れて御の字の世界ですよ、いまは。それが13.5万冊とは。

吉田 そういうラッキーがあり、今回出したのがこの『没頭力』なんです。

しみけん いいこと書いてありますよ。

吉田 ありがとうございます。たとえば、いまこの話聞いているときって、ほかのことを考えていないですよね。こういう集中しているときにどうやったら入れるのかって、じつはみんな具体的にあまり考えたことがないらしいと。でも、スポーツの世界はいまそういう研究がどんどん進んでいて。10年前より、いまのほうがスポーツ選手は「ゾーン」や「没頭」といわれるものに入りやすくなっている。

しみけん なるほど。

吉田 いろいろ調べると、そのときにいちばんすごいと思ったのが、この前世界記録が更新されましたけど、6~7階建てのビルくらいの高さの波をサーフィンで降りてくるみたいな記録。昔はいいところで2階建てくらいもいかなかったんですが、いまは6~7階建てまでいっちゃっている。なんでこんなにレベルが上がったかというと、どうやったら集中できるかというフローに入る方法がわかったから、できるようになったんですって。これは万が一集中できなくなった場合に死んでしまうという状況下なので、めちゃめちゃ強い没頭に入っている。そこから、ふだんも没頭できたらいいなと思い、いろいろ考えていった末、結局「会話って没頭なんです」ということになった。

しみけん 会話は、本当に没頭するときは没頭しますよ。4時間くらい平気で喋ることありますし。電話で友だちと話していても、「もうこんな時間だ」ってよくありますもんね。

吉田 ですよね。それで、どういうことをすると没頭に入りやすいのかっていうのをまとめたかった。これは一生役に立つはずだと思って。

セックスとは没頭か?
ゾーンジャンキーのススメ

しみけん どうやったら没頭できるのか、さらっと聞きたいです。著者から口頭で説明あるっていうのもなかなか貴重ですし。

吉田 はい、今日はせっかくしみけんさんというものすごく貴重な取材対象の方にいらしていただいているのでお聞きするんですが、会話が没頭ならばやはりセックスは没頭なんでしょうか?

しみけん 没頭です!

吉田 ですよね(笑)。没頭を起こすために必要なのは、3つの条件にまとめられるんですよ。ひとつは「作業を伴う」こと。ただ考えているだけでは、没頭することは難しいんです。ゲームも手を使うじゃないですか。体を使うものは没頭しやすい。

しみけん すごい、合っている。

吉田 それと、「そのときの状況を自分がコントロールできていて、成功か失敗かすぐわかる」こと。

しみけん いいですねー、“性交”していますよ。

吉田 それは“ドゥーイングセックス”のほうじゃないですか(笑)。おそらくセックスでもいま自分がヤったことがOKだったかNGだったかってその瞬間にわかりません?

しみけん わかります!

吉田 ラップをやっている人も「あ、いま音外した」ってその瞬間にわかるじゃないですか。あとからわかるってない。

しみけん やっぱ同じなんですよね。AV男優がセックス中に考えていることって、相手の表情ひとつだったり、声のトーンひとつだけだったりしますからね。

吉田 いまのリアクションはアリだ、ナシだみたいな。

しみけん そう、「アン、アン、アン」が「アンっ♥」に一瞬変わったところがポイントなんだなっていうところを拾っていきますから。

吉田 音ゲーですよね。「エクセレントがあったいま!」みたいなことですよね。

しみけん 没頭していますよね、それは。

吉田 音ゲーに没頭するのはそうなんですけど、成功、失敗するのがわかるし、自分の実力より4%難しいことにチャレンジしているんです。

しみけん 4%っていうのがいいところですよね。

吉田 頑張ればできるけど、適当にやったらできないくらいの難易度ですよね。

しみけん ボディービルダーって自分の限界値の5%くらいの重量を積み重ねる。そうじゃないと筋肉は成長していかないんですよ。

吉田 そうなんですか! 確実にできることじゃダメなんですね。

しみけん そう、それでみんなトレーニングノートつけているんですよ。

吉田 ノートって、そのためにつけているんですか。

しみけん 前回できたちょっとギリギリ上を目指す。でもね、できないんですよ。なんだけど、そこを目指していくと超えるときがある。

吉田 できなくてもいいんですね。

しみけん できるに越したことはないですが。5%くらいっていう目安はありますね。

吉田 『うんこ座り』の内容っぽくなってきましたね。トレーニングしているときって、成功することがいいことのような気がしますけど、失敗してもそれまでの間、めちゃめちゃ集中しますよね。

しみけん するする。

吉田 あとちょっと頑張れば、5%重いのがあげられるみたいな。

しみけん そうそう。トレーニング中にマックス重量扱っているとき、目は開いているけど、前は見えてないですもん。

吉田 そういう感じになるんですか?

しみけん はい、とにかくもう筋肉と力のベクトルばかりが頭の中にあって。

吉田 頭の中はそのことばかりで、映像としてはあるけど見えていない。

しみけん ほぼ見えていません。ちょっと話逸れますが、ついこの前、片方の二頭筋長頭の腱が剥がれちゃったんです。

吉田 え、なんでですか?

しみけん そのとき、僕完全にゾーンに入っていて。マックス重量のベンチをガーーっとやっていたんですよ。ボディービルジムだから周りもけっこうハードトレーニングが多くて。僕の横でも二人組のボディービルダーがスクワットやっていて。ひとりがちょっと変わったビルダーなんですけど。「ヨシ、いけ! ヨシ、いけ!」って。

吉田 東大で「頑張ること」を研究している先生は、周りの人が「頑張れ! 頑張れ!」っていうと数字変わるっておっしゃっていました。

しみけん そうですね、後ろに人が立っているだけで持ち上げる重量も回数も変わりますからね。それで、「ヨシ、いけ! ヨシ、いけ! ほら、いけ! ほら、いけ!」って言っているんですよ。これはまだ許せる。ゾーンに入っているので、僕にはなにも聞こえないですから。でもそしたら、ちょっと変わっている方のほうが「あ~、もお、イッちゃう♥」って言ったんですよ。そしたら、ゾーンに入っていたはずなのに、「ここ現場じゃねえよな」と思ってしまい、そのあと「イッていいんだよお!!!」って聞こえたんですよ。で、「ああーー、イクーー!! あ、イッたーー!!」って。そのとき、そっちのほうに気を取られちゃって、ミリ単位のトレーニングやっていましたから肩もイッちゃいまして。ひどい話ですよ。

吉田 横にちょっと変わったボディービルダーがいたばっかりに(笑)。

しみけん 世の中なにが起こるかわからないなと(笑)。トレーニングも本当に死活問題なんですよ。

吉田 いま聞いていて思ったのは、しみけんさんは仕事も趣味としてのトレーニングも、両方ともゾーンを追い求めているような気がしました。

しみけん もうゾーンジャンキーかもしれないですね。

吉田 それでいうと、クイズってとてもゾーンが起きるじゃないですか。

しみけん そう、すっごくゾーンが起こるんだよね。

吉田 異常に集中して問題を聞いてボタンを押しますもんね。そして、押した瞬間に解答権がつく、つかないの結果がすぐにわかる。さらに答えたあとに正解は2週間後とかではないんですよ、絶対。

しみけん ははは!(笑) 「クイズ☆正解は一年後」(TBS)っていう番組はありますけど、2週間後だったら嫌ですね。早押しの意味がない。

吉田 そうなんです。必ず結果が出て、なおかつ実力も同じくらいでふつうやるじゃないですか。どちらが勝っても負けてもおかしくないっていう状態でやるから、めちゃめちゃゾーンに入りやすい。クイズってあの瞬間になんであれだけの思考のステップを踏めたんだろうと思うときないですか?

しみけん あるある。僕、「地下クイズ王決定戦」(BSスカパー!)っていう番組に出させてもらって、第4回のときにゾーン入ったんですね。

吉田 そうなんですか、覚えてます?

しみけん それが覚えてないんですよ。第2、3回のときに同じ相手に負けて、準優勝だったから、すごく勉強して。それなのに負けたから悔しくて、テレビカメラの前で泣いちゃったんです。30歳過ぎて泣いたのって、「地下クイズ」で負けたときと税務署に入られたときくらい。

吉田 ははは(笑)。

しみけん いま、そのときの映像見ても目つきが全然違いますもん。音は聞こえているけど、なにも見えてない。

吉田 わかります。あとでいわれると、映像で丸ごと覚えていたりするんですが、そのときは認知してないですよね。全部のことを無視できる。お互いにゾーンジャンキーですね。ここに興味ある方もゾーンジャンキーになれる可能性があるんですよ。そして、ゾーンジャンキーは人生楽しいことだけは保証できます。

しみけん ゾーンの数だけ人生楽しめますからね。

これからの人類には、
「ハケ」と「水車」を
組み合わせることが求められる

吉田 今日、しみけんさんとお話しさせていただくにあたって、AV男優とアナウンサーの共通点ってなにかなと思ったんですけど、僕らの仕事、全部「本番」なんですよね。

しみけん うんうん。

吉田 単なる謎かけとして捉えてもいいんですけど、「本番」ってゾーンだと思ったんですよ。観客がゾーンに入っていない人を見ると、すごく気持ちが悪い。

しみけん そうですね。

吉田 たとえば、ゾーンに入っている大谷翔平選手を見るのは気持ちいいんですが、不貞腐れている松坂大輔選手は見てられないんですよ。これに気が付いて、「没頭はいろんなものの通貨である」っていってもいいんじゃないのかと。価値の源泉はこれなんじゃないかと。いまでいう「マイニング」ですよ、自分の熱意から価値のあるものを抜いてくるとしたら。

しみけん よっぴーさんはもう没頭力身に付けています?

吉田 没頭していないときにどこをいじればいいのかなっていうのは『没頭力』を書いてできるようになりました。そこまでは「なんかわからない」で終わっていたんですよ。「今日は集中できない、ダメだ」って思っても本番は毎日ある。「なんで今日はいまいち気合いが入らないんだろう」と思ったら、「あ、挑戦になってないからだ」と思って。

しみけん げえーすごい! なんか胸が痛い。僕もね、仕事していて「集中力ないな」ってときあるんですよ。

吉田 そういうときってちゃんと勃ちます?

しみけん 勃たせます。

吉田 かっこいいです(笑)。

しみけん 僕のなかで「60点出せばいいんでしょ」感が出ちゃっているときがまさにそれで。

吉田 そのときに「60点でいいんでしょ、でも個人的にこの環境下で80点出すよ」っていう気持ちになると、結果60点しか出なくてもそこまで楽しいには楽しい。

しみけん そうですね、そこは4%上を目指してやってみよう。徹底していこう。

吉田 それをしみけんさんの仕事に具体的に落とし込むとすると、「4%いつもより感じさせよう」とかになるんですかね?

しみけん なにになるんだろう。

吉田 いろいろな設定があると思います。僕は初めて会うならそれだけでもう4%緊張していたりしますが、毎回毎回この人からは面白いことを聞けているっていうときは、もう一歩踏み込んでみようと思ったりしています。「ほかの人は絶対こんな質問しないだろうな」っていうことを聞く。そうすると、そのゲストに対して緊張感ができる。

しみけん なるほど。そうすると、「相手がしたことない体位をひとつ入れる」とかになるのかな。でも頑張りすぎちゃって、ペニスに血がいかなくなる可能性があるな。4%の設定は次までの宿題としておきます。ちょっとずつ寄せ集めても4%になればいいんですもんね。

吉田 そうです、自分の仕事の4%の難しさを引き出せるポイントって、ひとつじゃないですから。

しみけん 話変わりますけど、よっぴーさんって麻布中高出身ですか?

吉田 突然ですね(笑)。そうですよ。

しみけん 僕が思っている以上によっぴーさんって、めちゃめちゃすごい人だと思うんです。こうやってお話させていただいていますけど、同じLINEグループで「今日はももクロさんと仕事でした」とかすごいなと。

吉田 いや、それをいったらふつうに紗倉まなさんと仕事しているじゃないですか。

しみけん まあヤったことはあります。

吉田 紗倉まなさんとヤったことがある男が人類にどれだけいるかっていう話ですよ。男性からすると、下世話にはっきりといってしまうと、「あの女性とヤった人は偉い」って思いますから。

しみけん 明日花キララとヤったよ。

吉田 うわー、偉っー!!

しみけん 20回以上ヤってる。

吉田 回数をいうと、偉くない感じになりますね(笑)。

しみけん それで、麻布高校から慶應ですもんね。

吉田 一浪しましたが。なんでそこまで調べているんですか?(笑) 大学ではほとんどの時間、落語研究会かクイズ研究会にいました。

しみけん KQK?

吉田 はい、慶應義塾大学クイズ研究会です。いま、「クイズ夜会」にもいらっしゃる篠原かをりさんも所属していました。彼女はいまいちばん面白いラジオをやっている作家さんなんですが、生物にめちゃくちゃ詳しくて、研究の一環として「ヒモ」を飼っている。

しみけん すごいんだよね、篠原かをりさん。趣味が「ダメ男製造」。

吉田 「育てゲーをやっているのとほぼ変わらない」と聞きました。ゾーンジャンキーですよね。いろんな人の話を聞いていると、研究家はみんなそんな人ばかりです(笑)。いまそういう人たちを掘り起こす取材を『コマーシャル・フォト』(玄光社)で連載していて、最近は能の安田登先生に話を聞きに行ってきました。

しみけん えー、面白い。僕ね、ビデオデッキにキーワード入れておくと自動録画してくれる機能があって、女性の脇フェチだから、「脇」とか「脇の下」って入れているんですよ。そしたら、よく能が録画されているので「なんでいつも撮れているんだよ!」と思っているので、能にはちょっと興味があるんですが。

吉田 ははは!(笑) 能では「シテ」「ワキ」という登場人物がふたり出てくるからですかね。話を戻すと、いま人工知能が流行りですよね? それで、「人工知能が人間より頭が良くなったらどうしよう」というありがちな恐怖が最大となる瞬間を「シンギュラリティ」っていうんですよ。みんな、シンギュラリティを恐れているといわれていますが、「全然怖くないよ」と安田先生はおっしゃるんです。「なぜですか?」と聞くと、「シンギュラリティはもう起きていますから。その昔、文字を使っていない段階でも人間っていうのは技術が結晶していたじゃないですか」と。これは覚えて教える係の人がいたんですよね。でも文字ができた瞬間に「この人たちはなにも覚えてなくていいんじゃないの?」となった。人間の知恵って文字側にあるのか人側にあるのか、微妙じゃないですか。

しみけん すげえ発想。なるほどね。

吉田 面白いでしょ? 「文字ができた瞬間にじつはシンギュラリティはすでには起きているんだ」と。文字がない時代の人には作家という仕事を教えようと思っても、想像すらできないはず。だから「人工知能がもし人間を超えたとしても、人間が生きられなくなることなんて全然ない。危ないことなんてなにもないよ」と言っている。

しみけん かっこいい。その視点はなかったですね。文字ができたときに、もうシンギュラリティは起きていた。僕、似たようなことをTwitterでつぶやいたんですけど、エロの世界でも「電マ」というシンギュラリティは起きているんです。やっぱり電マにはかなわない。

吉田 電マのように手の動く人類はいないですもんね(笑)。

しみけん でもそんな人いたらかっこいいよね! コブラみたいにさ(笑)。

吉田 スペースコブラのスペースガンの代わりに「スライブ」って書いてある電マ(笑)。

しみけん あれ、笑っているの僕らだけ?(笑)

吉田 いいんじゃないですか、楽しいので(笑)。(会場スタッフから1時間近く経過していることを伝えられ)え、時間ですか! すいません、「電マコブラ」の話だけ聞かせてください(笑)。

しみけん ははは!(笑) 人間がいくら頑張っても20~30分かけていけなかった女性が、電マを5秒当ててイクわけですよ。だから僕は電マには勝てないなと思っているところはあるんですけど、男は必要とされている。これもシンギュラリティですよねっていう話。

吉田 たしかに。VRが普及したら、なにも要らなくなりますかね? 男女ともに。

しみけん でも生身のセックスは絶対あるでしょ。だってオナホールがあってもセックスはしたいでしょ?

吉田 そうですね。セックスに対するニーズが落ちる感じはしないですね。先日、AIの研究家の人とも対談したんですよ。「判断」「分類」の点においては、すでにAIのほうが人間より鋭いときがあるみたいですが、知能の進化は人間と同じルートは通らないんですって。

しみけん なるほどね。

吉田 たとえば、「アルファ碁」はめちゃくちゃ碁が強いですけど、だからといって「アルファ碁」に「買い物行って帰ってこい」っていったらそれはできない。用途はいろいろあるってことです。

しみけん たしかに。

吉田 電マも右手の振動ではかなわないかもしれないですけど、電マを使って新しいプレイを考える人がいるわけですよ。それが人間の仕事なんです。

しみけん そうですよね。

吉田 「ハケ水車」を例にすると、「ハケ」と「水車」を組み合わせると大変なことになるんじゃないかっていうことをまだ人工知能は考えてくれない。僕らは「ハケ水車」を考える人類にならなければならないんです。おそらくそういうことは、エロのことが誰よりも好きで一生懸命考えていないと思い付かないと思うんですよ。だから、より4%エロくなることが求められるんではないかと!

しみけん 僕がそれを担います!

吉田 もう時間ですか。えー、本日「ハケ水車」にたどり着いて時間切れという(笑)。

しみけん よっぴーさんに聞きたいことたくさんあったのに!(笑)

お二人の著書が好評発売中!

『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』吉田尚記/太田出版
『没頭力 「なんかつまらない」を解決する技術』
吉田尚記/太田出版

『やっぱり熟女がいちばんでした。』しみけん/KADOKAWA
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しみけん/KADOKAWA

『AV男優しみけんが教える うんこ座りでオトコの悩みの大半は解決する!』しみけん/扶桑社
『AV男優しみけんが教える うんこ座りでオトコの悩みの大半は解決する!』
しみけん/扶桑社

プロフィール



しみけん

AV男優。1979年千葉県生まれ。2018年に男優歴20年を迎え、経験人数は約10000人。年間約500本の作品に出演するトップ男優。ゲイ雑誌『Badi』でグラビアデビューし、「ザ・ナンパミラクル」シリーズで一躍有名になる。趣味はクイズ、読書、ブレイクダンス、ドライブ、筋トレなど。2005年東京オープンボディビル選手権大会60kg級6位。「スカパーアダルト放送大賞2015 抱かれたいAV男優」受賞。他を圧倒する知識と経験で、女優からの信頼も厚く、「しみクンニ」「ロールスロイス」などオリジナル技も駆使する絡みには男女問わずファンが多い。


よしだ・ひさのり
吉田尚記

ニッポン放送アナウンサー。1975年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞受賞(2012年)。「マンガ大賞」発起人。『ミュ~コミ+プラス』(ニッポン放送)、『エージェントHaZAP』(BSフジ)などのパーソナリティを務める。マンガ、アニメ、アイドル、デジタル関係に精通し、2017年には自ら新型ラジオ「Hint」のクラウドファンディングを成功させた。著書『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)が累計13万部(電子書籍を含む)を超えるベストセラーに。近著に『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』(石川善樹氏との共著/KADOKAWA)などがある。。

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