『松山俊太郎 蓮の宇宙』
書籍概要・著者略歴
目次
第一章 インドの詩と性愛
愛蓮餘滴
インドの香り
インド古詩シュリンガーラ・ティラカ――恋愛の額飾(ぬかかざ)り
蓮から「さかしま」に 6
漢語の愛について――インドにおける愛の思想・序説 (一)
〈愛〉の意味・〈愛〉の言語
インド古詩抄 鄙(ひな)の恋・都の恋
中世天竺 恋愛八十相
インド古典芸術における「女主人公(ナーイカー)」の分類 (その一)
インド古典芸術における「女主人公(ナーイカー)」の分類 (その二)
インド古典と現代日本―ヴァールミーキ著、岩本裕『ラーマーヤナ』
タゴール、大インドの人格化
第二章 蓮の神話学
わが到り得ぬ日蓮
ロータスの環
仏典における信ずるべからざる部分のおもしろさ
法華経と無む熱ねつ悩のう池ち および蓮華上仏
アパダーナと法華経
ヴィシュヌ神とアヴァターラ
古代インド人の宇宙像
古代インド人の宇宙像(二)
古代インド人の宇宙像(三)
インドの回帰的終末説
華厳経の宇宙
一闡提(いっせんだい)のマンダラ
第三章 幻のインド――講演・インタビュー・対談・座談
公開講演 芸術として見た仏典
インタビュー 蓮を究める
対談 輪廻転生――死の思想の源流を探る 出席者=鈴木清順、松山俊太郎/聞き手=長部日出雄、佐藤重臣
共同討議 なぜボードレールか 出席者=出口裕弘、渋沢孝輔、松山俊太郎 司会=阿部良雄
対談 読みかけの一ページ――「少年倶楽部」の余白への夢 松山俊太郎、寺山修司
対談 蓮華宇宙を語る 松山俊太郎、松岡正剛
解説 安藤礼二
松山俊太郎年譜 丹羽蒼一郎
松山俊太郎 執筆目録
初出一覧
著者略歴
- 松山俊太郎
- 1972年、神田・美学校にて(集合写真より)
写真:細江英公
松山俊太郎
1930年東京生まれ。インド学者、幻想文学研究家。1951年、東京大学教養学部文科二類(現在の文科三類)に入学。1953年、文学部印度哲学科に進学し、サンスクリット文学(サンスクリット語)を専攻。同大学院修士課程(印度哲学専攻)修了。2014年没。
サンスクリット学者として蓮を研究。著書に『球体感覚御開帳』(冥草社 1970年)、『インドを語る』(白順社 1988年)、『蓮と法華経 その精神と形成史を語る』(第三文明社 2000年)、『綺想礼讃』(国書刊行会 2010年)、訳書に『タントラ インドのエクスタシー礼讃』(フィリップ・ローソン著 平凡社 1978年)などがある。また、『小栗虫太郎傑作選』(社会思想社)の編集・校訂を担当。澁澤龍彦と深く交流し、『澁澤龍彦全集』『澁澤龍彦翻訳全集』(ともに河出書房新社)の編集委員を務めた。
安藤礼二
1967年東京生まれ。文芸評論家、多摩美術大学美術学部准教授。早稲田大学第一文学部卒業。出版社を経て、2002年「神々の闘争 折口信夫論」で群像新人文学賞優秀作を受賞、批評家としての活動をはじめる。2006年、『神々の闘争 折口信夫論』(講談社 2004年)で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。2009年、『光の曼陀羅 日本文学論』(講談社 2008年)で大江健三郎賞と伊藤整文学賞を受賞。2015年、『折口信夫』(講談社 2014年)で角川財団学芸賞とサントリー学芸賞を受賞。他に、『近代論 危機の時代のアルシーヴ』(NTT出版 2007年)、『場所と産霊 近代日本思想史』(講談社 2010年)、『祝祭の書物 表現のゼロをめぐって』(文藝春秋 2012年)などの著作がある。