「なに吸ってるの？」「VAPEだよ、電子タバコみたいなもの」「??????」……なんてやりとりの経験がある方は意外と多いのではないだろうか。あるいは記憶の片隅にある「電子タバコ＝おじさんの禁煙アイテム」といった先入観も、正しいVAPEのイメージを邪魔しているかもしれない。

しかしVAPEは、いまや全世界で3,500億円を超える市場と言われる次世代型ガジェット。禁煙や節煙に限らず、多くの人は葉巻のように“香りや“味”を嗜む用途で愛用しており、もはや立派な嗜好品となっている。特にアメリカでは、すでに独立したカルチャーのひとつとして定着しているのだ。

そもそも“VAPOR（ベイパー）”とは直訳で“水蒸気”のこと。そして“VAPE（ベイプ）”とは、その水蒸気を吸引する行為を指す。この水蒸気は、独自の成分により配合された“Eリキッド”や専用に加工された“たばこ葉”を加熱することにより発生させたものである。

VAPEの本場アメリカでは20,000店舗近くの専門店があり、あらゆるところで「VAPEコンベンション」といったイベントなども多数開催されているほど。当然、この独自文化の発展を支えているのは専門店の存在で、考えられる限りのあらゆる関連製品を取り扱っているほか、初めてのユーザーへの商品説明にはじまり、常連客への新製品紹介、さらにテイスティング（Try VAPE）などなど、まるでワイナリーかシガーバーか……といった趣である。

なお、アメリカでは数百もの“Eリキッド”専門の製造メーカーによって数千種類のフレイバーが市販されており、ユーザー側はフレイバーや水蒸気量の決め手となる配合成分などにも強いこだわりを持ってチョイスしているようだ。