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『文系男子的“電子煙草道”ノススメ 』 #2 VAPEが内包する魅惑的な趣味道とは

『文系男子的“電子煙草道”ノススメ 』 #2 VAPEが内包する魅惑的な趣味道とは

ケトル編集部

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「それ、カッコいい! 何ですか?」

 僕はBOX MOD(箱形のバッテリー)にクリアロマイザー(透明なタンクにリキッドを入れるタイプの気化器)を取り付けてVAPEを楽しんでいるのですが、最近、喫茶店での打ち合わせや酒席などでケムリをくゆらせていると、前述したようなリアクションをされることが、たいへん多くなりました。

 そうなると僕も嬉々として「あ、これは電子タバコです。VAPEとも言われていて……」などと、一体どういう仕組みで、どんな味がするものなのかを解説するのですが、多くの方が興味シンシンといった感じで耳を傾けてくれます。「ちょっと試してみてもいいですか」と言う人も少なくありません。「おっ、予想以上においしい」「手軽に楽しめるシーシャ(水タバコ)みたいですね」なんて、好反応を示してくれる方が大多数。「自分も始めてみようかな。オススメのものがあれば教えてくださいよ」なんて言われるのは、やはり嬉しいものです。

 そういえば先日、ニューバランスのスニーカーにロールアップしたデニムパンツ、黒縁メガネにニットキャップ……なんて、いかにも“サードウェーブ系男子”的な出立ちのアラサー男性と打ち合わせをした際に、こんなことを言われたのです。

「それ、そそられる見た目をしてますね~。MacBook Airとベストマッチ(笑)」

 落ち着いた光沢を放つBOX MODやクリアロマイザーのシルバーパーツに、日の光をあびてキラキラと輝きを放つタンク内の液体──なるほど確かに、オーガニックな雰囲気のカフェでノートパソコンと並べてみると、妙に絵になります。気の効いたデジタルガジェットのように見えなくもありません。

「タバコは吸わないけど、トルコ料理屋などでシーシャをたしなむのは好き」「オーガニックなコーヒー豆を使って丁寧に淹れたコーヒーが好き」「シンプルで機能的なアイテムを愛好」「Apple信者で、ガジェット類はMacBookやiPad、iPhoneに合わせてコーディネートする」なんて属性を持っているのは、その御仁に限らず、いわゆるオシャレ文系男子にわりと共通する要素だったりするワケですが、そうした属性の人にもVAPEは訴求力が高いアイテムになりうるのではないかな、なんて考えた次第。

 そもそも、お気に入りのデジタルガジェットを携帯したり、デスクの上などに並べたりといった、身のまわりに「自分が吟味した、こだわりの一品」を揃えるような営みは、非常に男子的な趣味性をくすぐる行為です。自分好みにカスタマイズしたり、蒐集したりというのも“男の趣味道”には欠かせない要素といえます。そうしたさまざまな趣味性、嗜好性を包括するような奥深さが、VAPEにも備わっているのではないでしょうか。

 アトマイザーとMODの組み合わせを、機能だけでなく、見た目の美しさにもこだわって検討したり、「自分好みの一本」を求めていろいろなリキッドを試したり、ときにはリキッドをブレンドして自分だけの味を追求したり……。このような取り組みは、たとえば釣り好きが竿とリールの組み合わせに悩んだり、コーヒーにハマった人が豆や道具にこだわったり、オーディオ好きが曲のジャンルによってヘッドフォンを使い分けたりするような趣味性にも通じます。興味がない人にとってはどうでもいいこと、面倒くさいことであっても、愛好者にとってはむしろ、そんなどうでもいいこと、面倒くさいことが大切だし、楽しい時間だったりするのですから。VAPEには単なる嗜好品、タバコの代替品という役割以上の、生活に潤いや安らぎ、活力を与えてくれる効能が備わっているように思えてなりません。

 あ、いまさらフォローするようですが、別に深いこだわりなどなくても、VAPE自体は気軽に始められるものなので、未体験の方は、どうか身構えないでくださいね。近ごろは、初心者が迷わず買えるようなエントリーモデルや、おすすめのクリアロマイザーやバッテリーなどを組み合わせたビギナーセット的なものも用意されているので、少しでも興味があれば、臆することなくVAPEを手にしてほしいです。

【プロフィール】
漆原直行(うるしばら・なおゆき)
1972年、東京都生まれ。編集者・記者・ビジネス書ウォッチャー。ベリー系、スイーツ系のリキッドを好むVAPE愛好者。  

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