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百田尚樹

百田尚樹(ひゃくた・なおき)
1956年、大阪生まれ。同志社大学中退。人気番組『探偵!ナイトスクープ』など放送作家として活躍。2006年『永遠の0に』(太田出版)で作家デビュー。『聖夜の贈り物』『ボックス!』(いずれも太田出版)、『風の中のマリア』(講談社)、『モンスター』(幻冬舎)など多彩な執筆活動を展開し読者の熱い支持を集めた。いま最も期待される作家である。最新刊は『リング』(PHP研究所)。

松田哲夫

松田哲夫(まつだ・てつお)
1947年、東京生まれ。1970年、東京都立大学を中退し筑摩書房に入社。数多くのヒット作を手がけた後、現在は顧問を務める。著書に『これを読まずして、編集を語ることなかれ。』(径書房)、『印刷に恋して』(晶文社)、『「王様のブランチ」のブックガイド 200』(小学館101新書)など。

INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW 01

2010/03/20 21:00 INTERVIEW

聞き手:松田哲夫 写真:辺見真也

第1回
ボクシングマニアが集まった
『ボックス!』の撮影現場

(映画版『ボックス!』の特報映像を観て)

百田
いや、面白そう! 面白そうやなあ。
松田
大ヒットしそうですね。
百田
撮影現場もメチャクチャ、カッコ良かったんですよ。
またね、ええ脚本なんですよ。
松田
監督さんは、これまで、どういった作品を?
百田
映画だと『デトロイト・メタル・シティ』の
監督をやられてますね。あとは若いときから、
ずっとテレビのディレクターやられてた方で。
監督の李闘士男(り・としお)さん、
これが本名なんです。
松田
すごいですね。「闘士」ですか。
百田
李さんのお父さんがボクシングの大ファンで、
いずれ息子がプロボクサーになったらええな
と思って、そのときにリングネームなしで
試合ができるよう「闘士」にしたらしい(笑)。
松田
でも、映画監督になられたんですね(笑)。
百田
李さんは幼い頃から近所のボクシングジムに
出入りしてたらしくて。
ボクシングの実際の雰囲気をよく知ってるから、
試合の演出とかすごくいい。
今回の映画版『ボックス!』は
ホントに人に恵まれてて、
まず監督の李さんが非常にボクシングが好きだし、
プロデューサーであるTBSの武田(吉孝)さんも
根っからのボクシングマニア。
だから、よく撮影とか関係なしに武田さんと会うと、
もう、お互いボクシング談義になって(笑)。
ボクシングのことに詳しいプロフェッショナルが
何人も集まって作るんで、
映画のボクシングシーンに関しては、
ホントに安心できますね。
いまでも、たまに映画とかドラマの中に
ボクシングシーンがあったりしますけど、
僕らが見たら「なんちゅうボクシングしとんねん!」
「こんなへっぴり腰の打ち方あるかい!」って
思うことがあるんですけど、映画版『ボックス!』は、
かなりコアなボクシングマニアも
唸らせることができると思います。
松田
じゃあ、この映画では、
かなり迫力のあるボクシングが見れる。
百田
そうですね。シナリオは全然問題なかったから、
最終的にはボクシングのシーン。
一番キモはここかなと思ってたんですけど、
もう、思ってる以上の迫力がありましたから。
松田
『ボックス!』という小説の魅力は、
ボクシングの試合中に起こる
「ボクサーが1秒間に3発のパンチを打つ」
という描写を普通の人にも見分けられるように
書かれていることだと思うんですね。
だから、映画でもボクシングシーンが魅力を持って
伝わってくるかどうかがキモになりますよね。
たくさんの試合があっても、
全部似たような殴り合いをしてるだけだと、
すごく退屈だろうなって気もしますし。
百田
李さんの演出を見ていると、それはないと思います。
試合は何試合もあるんですけど、
最後のクライマックスまで持って行くのに、
ちゃんと伏線が用意されてますから。
だから、かなり興奮して観ることができると思いますよ。
松田
いや、楽しみですね。
百田
ありがとうございます(笑)。(その2に続く)
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