太田出版ニュース
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太田エロティック・マンガ賞にご応募いただきありがとうございました。今回も個性あふれるさまざまな作品が集まり、佳作1作、奨励賞1作という結果となりました。
【2017年上半期】太田エロティック・マンガ賞
審査員:山本直樹、本誌編集部
賞金:大賞 40万円、入選 20万円、佳作 10万円、奨励賞 3万円
最新のマンガ賞については「太田エロティック・マンガ賞」募集ページでご案内しています。
佳作 賞金10万円
- 文秋水
「半豚足人の狂詩曲(パンチョッパリのラプソディ)」 - 28p
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【あらすじ】
日本で生まれ育った在日韓国人3世の純平は、韓国料理店で出会った女性に心惹かれる。距離を縮めたいと願う純平はしかし、夜の歓楽街で彼女を見かけてしまう。 - 作品を読む(期間限定公開)
※本作の一部に過激な語句や表現がございますが、作品のオリジナリティおよび作者の意図を尊重し、そのまま掲載いたします。(編集部)
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- 山本直樹 講評
直球すぎて圧倒されました。作中の文字が(前回奨励賞受賞作「春を売るひと」同様)依然として多いんですが、構成もしっかりしていて、こんなにちゃんとした漫画が来るとは…! という驚きもありました。この題材でこれだけのことを28pで描き切るというのは、相当ギュッと縮めなくてはいけなかっただろうと思いますが、それがしっかりできています。描き手にとって描くべきことだったから読みやすくなったんだろうし、圧縮もできたんでしょう。「今、これを読んでほしい!」という感じもすごくよく出ている。今回のような“日韓もの”なら、マンガに描かれていないことは山ほどありますよね。ウェブに向いている作品かもしれない。
奨励賞 賞金3万円
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- 山本直樹 講評
楽しんで描いている感じがすごく伝わってきます。画面を見ているだけで気持ちが良い。きっと結末を決めないで最後まで描いているんじゃないかな。そして女の子の太ももが、エロい。でも前回(前回最終選考通過作品「アイスの季節」)と同じでストーリー性が薄いので、お話をつくることに興味はないのかもしれないなと感じました。とはいえ自分の絵柄を持っていてこれだけ楽しそうに描いているので、もっとたくさん描いていくうちに突然、“化ける”ような気もします。自分が面白いと思うものを、ひたすら描き続けてほしいですね。
総評
佳作以上はやはり、“驚いた”時に出ます。“びっくり”にもいろんなパターンがあるけど、今回の場合は「こんなド直球な作品が来るなんて…!」という驚きでした。丁寧に描いているだけ、かわいいだけ、ということを超えてくる、何かがほしい。そして、描き切ってほしい。「あれ、これは“サワリ”で終わってしまっているんじゃないかな?」という風になるのはもったいないです。今回は全体にクオリティの高い作品が多かった。この水準でさらに応募数が増えるとうれしいですね。
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