太田出版ニュース
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太田エロティック・マンガ賞にご応募いただきありがとうございました。今回は奨励賞に1タイトル選出となりました。あらすじと講評をここに公開いたします。
【2018年下半期】太田エロティック・マンガ賞
審査員:山本直樹、本誌編集部
賞金:大賞 40万円、入選 20万円、佳作 10万円、奨励賞 3万円
次回の募集については「太田エロティック・マンガ賞」募集ページでご案内しています。
奨励賞 賞金3万円
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- 山本直樹 講評
展開がバカらしくて、「こんなマンガだったのか」という驚きがありました。ついつい読んでしまう。(ストーリーの)最後は本当に海に行っても良かったかもしれません。
もったいない点としては、細かい背景のスケール感がズレている点。例えば、2段ベッドの幅はこんなに広くない、とか。あとは、トーンを貼っていないし、(特に前半では)ベタを使っていないから、全体的な仕上がりが手を抜いているように見えてしまうんですね。ベタやカケアミをうまい具合に配置したほうがいい。コマ割も単調なので、好きなマンガのコマ割を研究するといいと思います。ストーリーでいうと、お姉さんはどこに行ってしまったのか、途中で倒れているおばさんは誰なのか、そういう余計なノイズがただのノイズのまま終わってしまっている点でしょうか。それでも、これから面白いものを描けそうな方なので楽しみです。
総評
今回はアナログ原稿の作品が多かったのが印象的でした。デジタルで描いている人は他のマンガ賞に応募しているのか、自分でアップしたりしているのかな。
今回応募してくれた方は、いろいろな意味で「惜しい」人が多かったのですが、それぞれにきちんと惜しい意味がある。「面白いけど、お話がわかりづらい」「ちょっと世界観と絵が古臭い」など。もっとすごい絵だったら変わってくるのだろうけれど、惜しい。でも新人賞ってそういうものでもあります。
今回は「変なマンガ」が多くて、「まともだけどつまらない」作品がほとんどありませんでした。ただ、読者がお金を出して買いたがるところまでは、それぞれが何かで川を越えなければいけない。それでも今回、変な人ばかりが集まったというのは、マンガ賞としては本当に素晴らしいことだと思います。
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