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ノンフィクション・人文
価格 |
2,640円 |
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判型 |
四六判 |
ページ数 |
424ページ |
ISBNコード |
9784778314385 |
2015.3.21 |
書籍の説明
「人類はそれを厄介払いできない!
もっとも冷酷な寄生生物——
50万年の長きにわたって人類と蚊とを手玉に取り続ける、
マラリア原虫の驚異的な生存戦略。その進化の秘密を解き明かす。」
本書の魅力は、「もっとも冷酷な寄生生物のひとつ」が、二つの敵(蚊と人類)を籠絡してきた進化の秘密を解き明かすことにあります。
病原体の解明と治療法の解説が目的ではなく、マラリアと人類が、いわば「共進化」してきたことを教えてくれます。
ミクロ(マラリア原虫)がマクロ(人類やその歴史)を引きずり回してきたことが活写されるので、アフリカの風土病くらいにしか考えていない人にも、共生系をなす地球に住むかぎり、人類には安全地帯はない、ということが分かってくる仕掛けです。
(ヒストリカル・スタディーズ 最新刊 13)
[訳者あとがき]
50万年の長きにわたって人類と蚊とを手玉に取り続ける、マラリア原虫の驚異的な技です。抗マラリア剤をたちまち無力化し、私たちの防御機能——免疫を巧みにすり抜けて、微塵も衰えることなく人類集団の中に居座り続ける様を見れば、薬剤耐性細菌の脅威などは単純なものに思えるくらいです。ことマラリアに関しては化学療法剤や殺虫剤などは一時的な気休めに過ぎず、人類は進化のレースにおいて原虫に取り返しがつかないほど遅れをとってしまっているのではないかとさえ思われます。(抜粋)
[原書ウェブサイト]
http://soniashah.com/books/the-fever/
[TED TALKS: Sonia Shah: 3 reasons we still haven’t gotten rid of malaria]
http://www.ted.com/talks/
目次
[目次]
1 戸口にせまるマラリア
2 殺人鬼の誕生
3 激流の真っ只中へ
4 マラリアの生態学
5 薬物療法のつまずき
6 マラリアは宿命
7 科学的解決法
8 消えたマラリア──西洋からいなくなったわけ
9 スプレーガン戦争
10 新時代の闘い
訳者あとがき
原注
索引
メディア掲載情報
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- 2020.04.13 『人類五〇万年の闘い——マラリア全史』
- Web ReadHub TIMES/詳細リンク - 本の紹介
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「感染拡大を予言したビルゲイツが選ぶ コロナ時代におすすめの本4冊。」にて本書が紹介されています。
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- 2015.07.08 『人類五〇万年の闘い——マラリア全史』
- 新聞 週刊読書人/詳細リンク - 書評(鈴木晃仁先生(慶應義塾大学教授・医学史専攻))
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書評
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- 2015.06.21 『人類五〇万年の闘い——マラリア全史』
- Web 朝日新聞デジタル/詳細リンク - 書評(中村和恵)
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年3億人感染、問題は貧困
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- 2015.05.24 『人類五〇万年の闘い——マラリア全史』
- 新聞 日本経済新聞 - 書評
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短評
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- 2015.04.02 『人類五〇万年の闘い——マラリア全史』
- Web HONZ/詳細リンク - 書評(村上浩)
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『人類五〇万年の闘い マラリア全史』 100万人の命を奪う殺し屋
著者プロフィール
ソニア・シャー(Sonia Shah)
1969年、インド系移民の子としてニューヨーク市に生まれる。合衆国東北部と、親族が住むインドとの間を行き来しているうちに、両者間ならびにそれぞれの国家内に存在する不平等に対して強い関心を持つことになる。科学、人権、国際政治に関する著書はいずれも好評を博し、多国語に翻訳されているものもいくつかある。Crudeは『石油の呪縛と人類』として邦訳出版されている(集英社)。多くの大学で講演をするかたわら、テレビ番組にも多数出演。本書はカメルーン、マラウィ、パナマなどの5年間にわたる取材を基に纏めたもので、『ニューヨーク・タイムズ』をはじめ、各方面から絶賛を浴びている。
著者プロフィール写真 © Joyce Ravid