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ノンフィクション・人文

福島第一原発廃炉図鑑

開沼博 編

価格

2,530円
(本体2,300円+税)

判型

A5判

ページ数

398ページ

ISBNコード

9784778315115

搬入年月日
[?]

2016.6.6
※各書店・ネット書店により、購入可能となる日は異なります。

編集部より

「廃炉ラボ」にて、本書のご紹介動画を公開中。また、映像制作のためクラウドファウンディングを行っています。

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書籍の説明

福島について考えることは、
世界と日本の現在を考えることだ。
福島第一原発(1F=いちえふ)を考えることは、
私たちの家族や友だちの未来を考えることだ。
私たちは考えることを放棄してはならない。
だから私たちはまず調べることにした。

本書は、世界で初めて「福島第一原発廃炉の現場」の内実を正面から記録した出版物です。世界史的事件である「福島第一原発事故」の中心に入り、一般住民・民間の立場からその廃炉の現場の実態を調査するということが、事故から5年たってはじめて可能になりました。長期に渡る廃炉の作業と、一時は人が住まなくなったその周辺地域がいかなる未来に向かっていくのか。私たちは、そこに対していかなる理解と想像力をもち向き合っていくことができるのか。私たちの文明や科学技術はもちろん、言葉や文化・芸術の力、民主主義のあり方、社会的包摂の仕組みづくりが試されるのはこれからです。本書はその土台になるべく編集されました。(「はじめに」より)

目次

■イントロダクション
はじめに
もうひとつの「はじめに」
日本の原子力発電所
福島第一原発広域地図
福島第一原発構内配置イメージ図
本書を読む上での最低限知っておいてほしいこと
凡例

■第1章 福島第一原発、最大の問題は何か?
竜田一人COMIC①「全員集合!」
廃炉クロノロジー
廃炉に関するQ&A
廃炉を知るための15の数字
東京電力を辞めてでも伝えたかったこと ――吉川彰浩

■第2章 廃炉とは何か?
竜田一人COMIC②「オンサイト」
10分でわかる1F廃炉
原子力発電の仕組み
図解 オンサイト全景
1号機
2号機
3号機
4号機
廃炉工程表
図解 汚染水対策
汚染水対策はどうなっている?
循環冷却と汚染水の関係
コラム トリチウム水を減らせない問題 ――吉川彰浩
汚染水の種類
燃料デブリとは何か?
チェック 原子炉の状態はここでチェック!
廃炉で出たゴミはどこへいくのか?
ゴミの行先MAP
コラム 放射性廃棄物は身近な問題 ――吉川彰浩
インタビュー 廃炉の現場とロボットテクノロジー ――淺間一(東京大学教授)
1F構内で働くロボット
インタビュー 「研究機関の役割」の来し方行く末 ――石田順一郎(JAEA福島環境安全センター特任参与)
ルポ JAEA楢葉町遠隔技術開発センター
1Fの重機・機材紹介
放射線とは何か?
チェック 放射線のデータはここでチェック!
1F構内の放射線対策
労働環境はどうなっている?
作業員図鑑
ある作業員の1日
コラム 食べ物の移り変わり ――吉川彰浩
ルポ 福島復興給食センター
インタビュー 「廃炉の現場」で働く男たち ――東京パワーテクノロジー株式会社
1Fを見るツアーとは?
1F視察ツアー1日体験
インタビュー 「野戦病院」の現場からはじまって ――増田尚宏(福島第一廃炉推進カンパニーCDO)
コラム 世界から見たFUKUSHIMAと廃炉 ――マクマイケル・ウィリアム
コラム 検証 福島第一原発・廃炉関連のデマ ――林智裕
チェック 廃炉の情報はここでチェック!
世界の廃炉原発
廃炉クロニクル
[開沼のまとめ]福島に残る五つの課題

■第3章 1F周辺地域はどうなっているのか?
竜田一人COMIC③「オフサイト」
廃炉にかかる予算は?
避難指示区域について
図解 Jヴィレッジ全景
1Fで働く人たちの暮らしはどうなっている?
インタビュー 「廃炉」と「町づくり」の関係 ――石崎芳行(福島復興本社代表)
インタビュー 住民が主役の復興を ――西本由美子(NPO法人ハッピーロードネット理事長)
インタビュー 記録を残し、広い視点から見た復興 ――遠藤秀文(株式会社ふたば代表取締役)
オフサイトの歩き方
オフサイトおすすめ宿MAP
オフサイトグルメMAP
福島浜通り南部サーフスポットMAP
コラム 福島浜通りサーフィン事情 ――中村靖治
コラム 福島の海の現状 ――小松理虔
コラム 相馬の釣り事情 ――鮫川隆星
コラム 廃炉の地域の学習塾 ――森雄一郎
除染の実像を知るための三つのポイント
[開沼のまとめ]「廃炉の現場」が日本の未来を作る!

■第4章 廃炉をどう語るのか?
竜田一人COMIC④ 「1Fのこれから」
インタビュー そこに関わり続ける理由 ――糸井重里(コピーライター・エッセイスト)――小泉進次郎 (衆議院議員・自由民主党農林部会長)
インタビュー 廃炉と政治 ――福山哲郎(参議院議員・民進党幹事長代理)
インタビュー 廃炉を語る言葉 ――斎藤環(精神科医・筑波大学教授)
廃炉の論点 ――吉川彰浩
廃炉を知るための15の数字(解答編)

あとがき

福島第一原発廃炉独立調査研究プロジェクト(廃炉ラボ)設立のためのマニフェスト

写真家・石井健の眼

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著者プロフィール

開沼博(かいぬま・ひろし)
1984年福島県いわき市生。立命館大学衣笠総合研究機構特別招聘准教授、東日本国際大学客員教授。東京大学文学部卒。同大学院学際情報学府博士課程在籍。専攻は社会学。著書に『はじめての福島学』(イースト・プレス)、『漂白される社会』(ダイヤモンド社)、『フクシマの正義 』(幻冬舎)、『「フクシマ」論』(青土社)など。共著に『地方の論理』(青土社)、『「原発避難」論』(明石書店)など。早稲田大学非常勤講師、読売新聞読書委員、復興庁東日本大震災生活復興プロジェクト委員、福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)ワーキンググループメンバーなどを歴任。現在、福島大学客員研究員、Yahoo!基金評議委員、楢葉町放射線健康管理委員会副委員長、経済産業省資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会原子力小委員会委員などを務める。受賞歴に第65回毎日出版文化賞人文・社会部門、第32回エネルギーフォーラム賞特別賞、第36回同優秀賞、第6回地域社会学会賞選考委員会特別賞など。

竜田一人(たつた・かずと)
職を転々としたあと、福島第一原発で作業員として働く。福島第一原発で作業員として働いた様子を描いた『いちえふ ~福島第一原子力発電所案内記~』(講談社)が「第34回MANGA OPEN」大賞を審査員満場一致で受賞、現在まで3巻が刊行されている。同書はフランス、ドイツ、スペイン、イタリア、台湾でも翻訳刊行され、現在、アメリカでの刊行も準備中。

吉川彰浩(よしかわ・あきひろ)
1980年茨城県常総市生。高校卒業後、東京電力株式会社に就職し、福島第一原子力発電所、第二原子力発電所に14年間勤務。2012年、福島原子力発電所で従事する方々を外部から支援するため同社を退職。13年「Appreciate FUKUSHIMA Workers」を立ち上げ、「次世代に託せるふるさとを創造する」をモットーに福島第一原子力発電所従事者支援と福島県双葉郡広野町を中心とした復興活動に取り組む。14年11月一般社団法人AWFを立ち上げ、目先の改善ではなく、原発事故後の被災地域を如何に、次世代に責任を持って託すかを模索する団体活動を展開。活動を通じて「廃炉と隣合う暮らしの中で生活根拠」を持てるよう、近くて遠くなった「福島第一原発」を視察という機会を通じて、一般の皆さんと一緒に学ぶ活動や、元社員としての知識を活かし「分かりやすい福島第一原発の廃炉状況」を伝える学習会を行っている。現在も、家族親類を含め原子力事故による避難生活中。

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