- 現在のページ(パンくずリスト)
- トップ > ノンフィクション・人文 > 書籍情報詳細
ノンフィクション・人文
価格 |
2,640円 |
---|---|
判型 |
菊判(218×152ミリ) |
ページ数 |
320ページ |
ISBNコード |
9784778315191 |
2016.6.6 |
|
電子版発売 |
2016.10.7- |
書籍の説明
はんらんする脳科学・脳情報に振り回されず、「脳の時代」を生き抜くための処方箋を示した、平易かつ本質的なマップ(『心脳問題』2004年、朝日出版社刊)から12年を隔てた増補改訂版。改訂にあたって改題しました。
【著書から|増補改訂版に寄せて】
「旧版刊行から約10年、じつにたくさんのことがありました。本書のテーマである心脳問題をめぐる状況も大きく動いています。
たとえば、脳科学における知見の蓄積、神経美学や神経経済学といった新分野の興隆、あるいは脳波によってコンピュータを操作するブレイン゠マシン・インターフェイスのような技術の発展は、旧版で論じた問題をさらに先鋭化させています。これまで技術的な限界もあってウヤムヤのままにしてきた諸問題に、私たちはいよいよ直面しつつあるのです。
それだけではありません。私たちの無意識のバイアス(認知の偏り)を暴きだす行動経済学の知見や、数度目のブレイクスルーを果たしつつある人工知能研究は、脳科学とは別の角度で、私たちの自己認識と社会のあり方を根底から変えつつあります。いまや心脳問題自体が些細な問題となりつつあるのではないかとすら思えるほどです。
しかし、それは心脳問題の解決を意味しません。本文で確認するとおり、心脳問題は私たちの心と身体をめぐるもっとも根本的な哲学問題であり、これからも何度でも回帰してくるでしょう。見ぬふりを決め込むのでもなければ、このような厄介な問題に対処する方法は多くありません。ひとついつでも有効な手は、問題そのものの性質や条件を、一度は真正面から考え抜いてみることです。たとえ解決はできなくても、理解することが力になります。諸科学の知識と技術によって人間の定義そのものが揺らぎつつある現在、あらためて何が問題であるかを示す里程標として、この増補改訂版を提示する次第です。」
(「増補改訂版へのまえがき」より)
【電子書籍について】
弊社・太田出版から発売される電子書籍のリリース情報&フェア情報は、電子書籍専門サイトHongram[ホングラム]でチェックできます。
目次
増補改訂版へのまえがき
初版まえがき
第1章 脳情報のトリック──カテゴリー・ミステイクとパラドックス
[間奏]頭がよくなる?
第2章 心脳問題の見取図──ジレンマと四つの立場
[間奏]脳研究小史
第3章 心脳問題の核心──アンチノミーと回帰する疑似問題
[間奏]デカルトの神話
第4章 心脳問題と社会──社会と科学、そして生
終章 持続と生──生成する世界へ
補章 心脳問題のその後
作品ガイド
索引
初版あとがき
増補改訂版へのあとがき
メディア掲載情報
-
- 2016.09.18 『脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座』
- イベント 青山ブックセンター本店/詳細リンク - イベント
-
刊行記念イベント
「心脳問題から自由意志、脳の社会性へ、人工知能の可能性とは何を意味するか」
大澤真幸+山本貴光+吉川浩満 連続講義(第3回)
日時:2016年9月18日(日)14:00~16:00(開場 13:30)
料金:1,350円(税込)
-
- 2016.08.10 『脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座』
- イベント 青山ブックセンター本店/詳細リンク - イベント
-
刊行記念イベント
「心脳問題から自由意志、脳の社会性へ、人工知能の可能性とは何を意味するか」
大澤真幸+山本貴光+吉川浩満 連続講義(第2回)
日時:2016年8月10日(水)19:00~21:00(開場 18:30)
料金:1,350円(税込)
-
- 2016.07.10 『脳がわかれば心がわかるか──脳科学リテラシー養成講座』
- イベント 青山ブックセンター本店/詳細リンク - イベント
-
刊行記念イベント
「心脳問題から自由意志、脳の社会性へ、人工知能の可能性とは何を意味するか」
大澤真幸+山本貴光+吉川浩満 連続講義(第1回)日時:2016年7月10日(日) 14:00~16:00(開場 13:30)
料金:1,350円(税込)
著者プロフィール
山本貴光(やまもと・たかみつ)
1971年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。コーエーでのゲーム制作を経て、文筆家・ゲーム作家。関心領域は書物、映画、ゲーム、原節子など。著書に『文体の科学』(新潮社)『コンピュータのひみつ』(朝日出版社)『問題がモンダイなのだ』(吉川との共著、ちくまプリマー新書)ほか。訳書に『MiND──心の哲学』(吉川との共訳、J・サール著、朝日出版社)ほか。「哲学の劇場」主宰。
吉川浩満(よしかわ・ひろみつ)
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。関心領域は哲学、卓球、犬猫鳥、単車など。著書に『理不尽な進化──遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社)『問題がモンダイなのだ』(山本との共著、ちくまプリマー新書)ほか。訳書に『MiND』(山本との共訳、J・サール著、朝日出版社)ほか。「哲学の劇場」主宰。
「哲学の劇場」
http://www.logico-philosophicus.net/
1997年開設。哲学/科学/芸術関連の書評、作家情報などを発信。