サブカルチャー
ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論
価格 |
2,420円 |
---|---|
判型 |
四六判 |
ページ数 |
288ページ |
ISBNコード |
9784778316648 |
2019.3.15 |
書籍の説明
見てはいけないものはあるのか?
語ってはいけないものはあるのか?
バブルに沸く日本で「表現の自由」を拡張したサブカルチャー、その象徴でもある漫画家・根本敬の世界に魅せられた精神科医が、サブカルとともに歩んできた自らの歴史を振り返りながら、90年代「悪趣味」ブームと平成末期の「ヘイト」の関連、表現することの未来と自由の可能性を解き明かす。
私は、31歳のとき書いた根本敬論で、「見てはいけない」と禁止されているものを見るのは「恋」と同じなのではないか、と書いた。「根本のマンガに登場する素材のうち、性倒錯者、糞尿マニア、守銭奴、乱暴者、貧乏な人などは、暗い世界とはいってもあくまで日常の了解がぎりぎり通用する」としながら、「妄想や幻覚、奇形、屍体などが自在に活動しだす時点」では、ついに「見てはいけない」の線が越えられている。私が、それを見たいというのは「恋」の視線なのだ、だから弾圧されることなどあってはならない、と書いた。あのとき「恋」という言葉で説明してしまった根本の漫画を、平成も終わるいま、もう一度、社会の中で考えてみたい。それがこの本の目的である。(本文より)
目次
序章
私にとっての根本敬作品
フーコーと根本敬の共通点
第1章 不条理論
村田藤吉論 ――「裁かれるのは善人のみ」なのか
バルテュスから突きつけられる「ポリティカル・コレクトネス」
人生とは理不尽なのか
精神科医になって感じた「生きる」のリアル
なぜ私は村田一家に生まれなかったのか
第2章 精子論
精子は何のためにつくられるのか
「卵子」「精子」「受精卵」
「ペニスを持った母親」という空想
フーコー的狂気としての佐吉とドゥルーズ的狂気としてのタケオ
タケオはなぜタケオなのか
逆さの男
第3章 差別論
「因果系宇宙の住人」に対する倫理
「タブーを破る」とはどういうことか
すべてが「記号」に
すべての物語は等価?
教養と知性、悪趣味・鬼畜ブーム
第4章 『ディープ・コリア』論争2018
『ディープ・コリア』は時代の産物だったのか?
「ゴー宣」と『ディープ・コリア』
差別をなくすために生まれた『ガロ』
第5章 なぜ「ゲルニカ計画」だったのか
でも、やるんだよ! --「樹海」誕生
「樹海」はアートなのか
サブカルの逆襲、サブカルの結末
あとがき
根本敬 主な作品リスト
メディア掲載情報
-
- 2019.07.05 『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』
- 雑誌 『美術手帖』19年8月号/この掲載誌を購入 - 本の紹介(塚田優)
-
本書が紹介されました。
-
- 2019.06.07 『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』
- 雑誌 『週刊現代』6月15日号/この掲載誌を購入 - 本の紹介(末井昭)
-
リレー読書日記
-
- 2019.05.05 『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』
- 新聞 信濃毎日新聞 - 書評(雨宮処凛)
-
本書が紹介されました。
-
- 2019.05.05 『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』
- 新聞 京都新聞 - 書評(雨宮処凛)
-
本書が紹介されました。
-
- 2019.05.04 『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』
- 新聞 沖縄新聞 - 書評(雨宮処凛)
-
本書が紹介されました。
-
- 2019.04.28 『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』
- 新聞 琉球新聞 - 書評(雨宮処凛)
-
本書が紹介されました。
-
- 2019.04.28 『ヘイト・悪趣味・サブカルチャー 根本敬論』
- 新聞 熊本日日新聞 - 書評(雨宮処凛)
-
本書が紹介されました。
著者プロフィール
(かやま・りか)
1960(昭和35)年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医、立教大学現代心理学部映像身体学科教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題を中心に、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍、さまざまなメディアで発言を続けている。『テクノスタルジア』(青土社)、『ポケットは80年代がいっぱい』(バジリコ)、『しがみつかない生き方』(幻冬舎)、『50オトコはなぜ劣化したのか』(小学館)、『ノンママという生き方』(幻冬舎)など著書多数。