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ノンフィクション・人文
価格 |
1,870円 |
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判型 |
A5判並製 |
ページ数 |
144ページ |
ISBNコード |
9784778316938 |
2020.4.23 |
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電子版発売 |
2020.5.15- |
書籍の説明
「民意」に支えられてこそ、「支配」は揺るぎないものとなる。
多くの人々が自分たちを苦しめているはずの諸政策をそのまま引き受けてしまうのはなぜなのか。
学校に限らず社会の隅々にまで張り巡らされた競争的環境によって明らかに苦しめられているにもかかわらず、その競争的価値の枠組み自体を問い直すことよりも、その価値を前提としてその中で成功しようとするのはなぜなのか。
いわば「自発的に」苦しい状況に従っていく動きを、わたしたちはどのようなものとして捉えればよいのか――。
思想史、教育学、フランス文学、社会学、社会福祉学と拠って立つ学問領域が多様な6人が、
「矛盾」に見える状況を支える原理を解き明かし、新たな方向性を模索する。
【電子書籍について】
弊社・太田出版から発売される電子書籍のリリース情報&フェア情報は、電子書籍専門サイトHongram[ホングラム]でチェックできます。
目次
序章 「民意」という研究対象
工藤宏司
第一章 自律的な「主体化」という政治的態度 ―学校はいかに関わってきたか―
桜井智恵子
第二章 学校の「自由」を開く ―教育の「政治的中立性」確保の誤解を解いて―
広瀬義徳
第三章 政治的態度の剥奪
柳沢文昭
第四章 『多数決は「民意」を反映するかという議論と学校』
水岡俊一
第五章 沖縄「沈黙の民意」を生み出すもの
工藤宏司
第六章 〈声〉の政治
堅田香緒里
著者プロフィール
工藤宏司(くどう・こうじ)
大阪府立大学人間社会システム科学研究科准教授。専門は社会学、社会問題論・逸脱論。「民意」研究委員会委員長。著書に『「ひきこもり」への社会学的アプローチ―メディア・当事者・支援活動』(共著・ミネルヴァ書房)、『方法としての構築主義』(共著・勁草書房)など。
堅田香緒里(かただ・かおり)
法政大学社会学部准教授。専門は社会福祉学。共著『お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?』(光文社新書)、『ベーシックインカムとジェンダー』(現代書館)、『主権者はつくられる』(アドバンテージサーバー)など。
桜井智恵子(さくらい・ちえこ)
関西学院大学人間福祉学部・人間福祉研究科教授。専門は教育社会学、思想史。著書『子どもの声を社会へ』(岩波新書)、『市民社会の家庭教育』(信山社)、編著『主権者はつくられる』(アドバンテージサーバー)、『戦争への終止符』(法律文化社)など。
広瀬義徳(ひろせ・よしのり)
関西大学文学部教授。専門は教育学、教育行政学、教育制度学。編著『揺らぐ主体/問われる社会』(インパクト出版)、共著『公教育の市場化・産業化を超えて』(八月書館)など。
水岡俊一(みずおか・しゅんいち)
参議院議員(3期)。立憲民主党所属。元中学校教員。2004年に初当選。2011年、野田内閣にて内閣総理大臣補佐官を務める。
柳沢文昭(やなぎさわ・ふみあき)
盛岡大学文学部名誉教授。専門はフランス文学。訳書に『対訳フランス語で読もう「異邦人」』(著者アルベール・カミュ/第三書房)など。