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ノンフィクション・人文
まんが表現教育論 実験と実践
大塚英志・山本忠宏(編)
価格 |
6,250円 |
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判型 |
A5 |
ページ数 |
248ページ |
ISBNコード |
9784778318451 |
2023.2.14 |
書籍の説明
作りながら考える
「貧しい」メディアが生み出した「方法」と「生存戦略」
まんがの紙面やスクリーンにおいて、制作者が他メディアと比較しても物理的にできることは基本的に少ない。完成までに最低限必要な機材が少なく済んでしまうことも、このことを象徴しているだろう。このような貧しさゆえの生存戦略は、映画のような動きへの憧憬が逆説的に表現方法を多様化させるように、蛇行や寄生を繰り返しているようにも見える。本書は、貧しさが引き起こす方法の最適化という視点からまんが表現と向き合ったものである――序章より
目次
序章 作りながら考える――まんが表現の実験と実践 山本忠宏
第一章「まんがと映画」
「竜神沼」はいかにして「映画」になろうとしたか 大塚英志
『アンラッキーヤングメン』に埋め込まれた「映画」 山本忠宏
作例 映画からまんがへ
第二章「まんがと印刷・美術教育」
明治後期の多色石版――一條成美を起点として 木股知史
まんが入門書と「略画」――「まんがの方法」の歴史学 大塚英志
明治期のアール・ヌーヴォーにみる「方法としてのまんが」――京都高等工芸学校の生徒作品を手がかりに 前川志織
第三章「まんがと色彩」
まんがにおける「カラー」の問題/山本忠宏
イストリエタが生き残る為にとった選択、色印刷のコスト、競争と産業の需要をめぐる戦略――作画家PEGASOの経験を例に―― アルバロ・ダビド・ エルナンデス・エルナンデス/ルベン・エドゥアルド・ソト・ディアス
第四章「まんがと絵巻・Web」
中国、韓国、日本のはざまで、縦スクロールまんがを考える 浅野龍哉/聞き手・構成: 山本忠宏、大塚英志
絵巻まんが訳制作における「発見」と「生成」 山本忠宏
第五章「まんがと創作教育」
映画制作からまんが制作へ――授業プログラムとしてのアダプテーション―― 山本忠宏
報告1 教材開発「物語の絵本」シリーズ 大塚英志
報告2 メキシコシティ地震被災児童のアニメ制作ワークショップ 大塚英志
エッセイまんが フランスで教える日本のまんが 中島千晴
カラー図版資料
あとがき 大塚英志
執筆者一覧
著者プロフィール
大塚英志(おおつか・えいじ)
国際日本文化研究センター教授。まんが原作者。専門はまんが表現史。まんが原作に『黒鷺死体宅配便』(KADOKAWA)など。著書に『定本物語消費論』(星海社新書)、『ミッキーの書式 戦後まんがの戦時下起源』(角川学芸出版)、『暮らしのファシズム 戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた』(筑摩書房)、他多数。
山本忠宏(やまもと・ただひろ)
神戸芸術工科大学まんが表現学科助教。国際日本文化研究センター共同研究員。専門はまんが表現史、まんが創作論。編著に『まんが訳 酒呑童子絵巻』『まんが訳 稲生物怪録』(ともに筑摩書房)。論文に「一九一〇年代の写真小説における両義性とその実践」(『運動としての大衆文化 協働・ファン・文化工作』、水声社)など。