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ノンフィクション・人文

異性愛という悲劇

安達眞弓(訳)、トミヤマユキコ(解説)

『異性愛という悲劇』 著:ジェーン・ウォード

価格

2,640円
(本体2,400円+税)

判型

四六判

ページ数

336ページ

ISBNコード

9784778319786

搬入年月日
[?]

2024.11.19
※各書店・ネット書店により、購入可能となる日は異なります。

書籍の説明

あなたはこれからも、怠け者で思いやりに欠け、腹を割って話せる友人もおらず、セラピーにも通おうとしない、子育て並みに手のかかる、ケア目当ての男性と交際したいですか?

異性愛の文化の中で人気を博す映画・ドラマ、恋愛指南書の変遷、ナンパ教室でのフィールドワーク、クィアの仲間たちへのインタビューを通して、同性愛者(レズビアン)の研究者がまなざす、異性愛という悲惨な異文化の正体。世界をひっくり返す、新時代のパートナーシップ論!

異性愛者の皆さんが心配だ。これは私ひとりだけの意見ではない。私たちクィアは、以前から異性愛者の文化に危うさを感じていた。異性愛者が同性愛者を忌み嫌い、暴力を振るい、クィアなサブカルチャーをなかったことにしようとするなど自分たちに被害がおよぶのを怖れるだけではなく、異性愛者の女性を抑圧する異性愛の文化に困惑し、頭を抱え続けてきた。
性的にそそられないとか生意気だとか、稚拙なメディアや自己啓発プロジェクトが作った女性を貶める陳腐なイメージが長年にわたってまかり通っている。男性が女性を性のはけ口にして、自分たちの不満を解消するようなセックスは、どう考えても理にかなっておらず、クィアの多くが異性愛者の文化に戸惑いを覚え、もっとはっきり言えば、吐き気を催すほど嫌悪している。
しかし、私たちが異性愛者の文化を心配したり、異性愛者が異性に欲情するのを否定したり、人類のあらゆる性的指向を論じたりすることは、異性愛者たちからすればわずらわしいだけだとよく知っているので、クィアがあえてこの問題に口を出すことはない。
異性愛者の人たちが心配だなんて、私は考えすぎだろうか?(本文より)

2024年11月21日(木)発売

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著者プロフィール

著:ジェーン・ウォード
カリフォルニア大学リバーサイド校のジェンダー・セクシュアリティ研究の教授。著書に『Not Gay: Sex Between Straight White Men』(New York University Press、2015年)、『Respectably Queer: Diversity Culture in LGBT Activist Organizations』(同)がある。

訳:安達眞弓(あだち・まゆみ)
宮城県出身、外資系メーカー広報を経てフリーの翻訳者に。訳書に、ジェフ・シャーレット『この、あざやかな闇』、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』(共訳)(以上駒草出版)、タン・フランス『僕は僕のままで』、ジョナサン・ヴァン・ネス『どんなわたしも愛してる』(以上集英社)、ディーン・ジョーブ『ヴィクトリア朝の毒殺魔』(以上亜紀書房)など多数。

解説:トミヤマユキコ
ライター/マンガ研究者。1979年、秋田県生まれ。早稲田大学法学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科に進み、少女マンガにおける女性労働表象の研究で博士号(文学)取得。現在、東北芸術工科大学芸術学部准教授。ライターとして、日本の文学、マンガ、フードカルチャーなどについて書く一方、大学教員として、少女マンガ研究を中心としたサブカルチャー関連講義を担当している。2021年から手塚治虫文化賞選考委員。24年からNHK高校講座「家庭総合」(NHK Eテレ)でMC。主な著書に『バディ入門』(大和書房)、『ネオ日本食』(リトルモア)、『労働系女子マンガ論!』(タバブックス)、『女子マンガに答えがある 「らしさ」をはみだすヒロインたち』(中央公論新社)、『10代の悩みに効くマンガ、あります!』(岩波ジュニア新書)、『文庫版 大学1年生の歩き方』(共著、集英社文庫)、『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)、『夫婦ってなんだ?』(筑摩書房)、『40歳までにオシャレになりたい!』(扶桑社)、『パンケーキ・ノート』(リトルモア)などがある。

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