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デジタルコンテンツ
広告実務と著作権(日本ユニ著作権センター)
書籍の説明
広告を理解することは、著作権理解への最短距離でもある。
広告と著作権との間にはいくつかの特殊なファクターが介在する。広告という「営利目的の手段」について、後追い的に文化法である著作権法の条文を適用させようとした結果でもあり、また、広告というものがいかに様々な業際で成り立っているかということの反映でもある。その意味では、広告には著作権のすべて、それどころかその周辺の権利が集約している。広告を理解することは、著作権理解への最短距離でもある。
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【電子書籍について】
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目次
はじめに
第1章 広告と著作権の遠くて近い関係
1. 広告は広告主の道具である
1-1. 広告の本質と著作権の関係
1-2. 法的判断もさることながら世論への想像力が問われる
2. 広告は知的財産権のスクランブル交差点
2-1. 広告には顧客吸引力のある素材が好んで使われる
2-2. 著作権法の理解だけでは十分ではない
3. 広告取引は重層的である
3-1. 広告は下請取引によって成立する
3-2. 関与者が多く、権利関係が複雑かつ曖昧である
3-3. 著作者人格権が問われることが多い
第2章 グラフィック広告のデザインに著作権はあるか?
1. 広告の著作権は「2階建」で成立する
1-1. 各階にある著作権
1-2.「美術の著作物」の権利
1-3.「編集著作物」の権利
1-4. 権利の隙間を埋める不正競争防止法
2. デザイナーが心がけるべきこと
第3章 キャッチコピーに著作権はあるか?
1. キャッチコピーの著作物性は認められづらい
2. キャッチコピーには商標登録されているものもある
3. 誰もが知っているキャッチコピーに注意
4. キャッチコピーには様々な地雷が潜んでいる
第4章 キャラクターは著作権があるか?
1. キャラクターを取り巻く法的権利
1-1.キャラクターの「絵柄」は著作権で
1-2. 企業キャラ、ご当地キャラは商標権で
1-3. ぬいぐるみなどのグッズは意匠権で
1-4. 知名度があれば不正競争防止法で
1-5. 実務上はどう考える?
2. キャラクターの類似回避は難しい
第5章 広告実務では無視できない「グレーゾーン権利」
1. グレーゾーン権利にはこんなものがある
1-1. オリンピック関連の用語
1-2. 有名な建造物の写真
1-3. 撮影小道具としての著名ブランド品
1-4. ノベルティに使われる著名ブランド品
1-5. 文章中に使われる他人の商品名
1-6. 他人がまとめた貴重なデータ
2. 実務と法務を橋渡しする調整力
第6章 広告でのパロディはどこまで許される?
1. 日本におけるパロディの歴史
2. 話題となったパロディ訴訟
3. 日本には「パロディ」の法規制はない
4. パロディはクレームがついたらアウト
5. 広告のパロディは「許諾」がポイント
6. パロディとどう違う?「オマージュ」「インスパイア」
第7章 広告会社の損害賠償責任
1. 著作権侵害を巡る広告会社の責任
1-1. 広告会社には著作権トラブルを未然に防ぐ義務がある
1-2. 広告会社には広告提供サイトの違法性を確認する義務がある
2. 広告内容を巡る広告会社の責任
第8章 どう考える?生成AIと著作権
1. AIが生成したものに著作権はあるか?
2. AI生成物が著作権侵害した場合は?
3. 利用者が留意すべきことは?
第9章 広告の著作者・著作権者は誰か?
1. グラフィック広告は誰のもの?
1-1. 通常はデザイナーに著作権がある
1-2. 社員が創作した著作物の著作権は「会社」に帰属する
1-3.広告会社はどう関わるか
1-4. 業務実態に即して判断することが重要
2. テレビCMは誰のもの?
2-1. テレビCMは映画の著作物である
2-2. 映画の著作権者は誰か?
2-3. CMの著作権に関するACCの取り組み
2-4.´92ACC合意とは?
2-5. テレビCMの著作権問題に決着?
第10章 広告の著作権者に関する提言
1. 広告の著作権者を広告主に
1-1.「カーニバル判決」を機に考えたい
1-2. 広告は広告主のものである
1-3.「広告委託著作物」の内容
1-4.「広告委託著作物」の課題
2. 広告の著作権問題は経済問題である
2-1. グラフィック系広告の事情
2-2. テレビCM・動画系広告の事情
3. 新たな時代に向けた料金体系・ビジネス体系・法体系の見直しが重要
著者プロフィール
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志村潔(しむら・きよし)
広告知財コンサルタント。1955年、山梨県甲府市生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒。広告制作会社などを経て、1986年、アートディレクターとして廣告社株式会社入社。クリエイティブ、マーケティング、営業、メディア、管理部門の各責任者を経験後、代表取締役社長就任。2016年退任。クリエイティブ部門で広告制作に関わった経験と実績を活かし「広告と知的財産権」というテーマで多くの執筆とセミナー講師を手掛ける。日本広告学会会員。著書に『 広告の著作権 実用ハンドブック』(太田出版)、『クリエイターのためのトラブル回避ガイド』(パイ・インターナショナル)、共著に『Q&Aで学ぶ 写真著作権 』(太田出版)、連載に『日本広告業協会 JAAA REPORTS“広告人のための法律知識”』(2020年1月号~)等がある。