Maltine Records主宰tomadが語る ネットレーベルの可能性
- Oct.8,2012
自身もDJとして活動するtomadが2005年、高校1年生のときに同級生と立ち上げたネットレーベル「Maltine Records(マルチネレコーズ)」は、所属する20代前後の若いアーティストによる楽曲を無料ダウンロードできることでファン層を広げていき、今では日本の代表的なネットレーベルに成長した。現在23歳のtomadが考えるネットレーベルの可能性と、今後のビジョンについて聞いた。
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Maltine Recordsを立ち上げたのは、「自分のまわりやネット上には面白い人がたくさんいるのに、なんで有名にならないんだろう」という不満からでした。それに、PCが普及してインターネットが当たり前になって、音源をコピーすることが止められない流れの中で、流れに抗うのではなく、それに乗ってどうやって音楽を広めるかを考えた方が将来性があるのではないかと思って無料で音楽をダウンロードできるようにしました。
最近では、Maltine Recordsからリリースしたいという若いアーティストが増えてきたので、そういう人をどんどんリリースしていきたいですね。そして、フリーでリリースして知名度が上がったアーティストの活動を支えるために、ファンの人たちから善意のお金を集めて次のリリースに繋げるようなサイトを自分たちで作ろうとしています。音源を有料にして売るという方針ではないので、Tシャツやグッズなどの販売にも力を入れていきたいですね。
既存の大きいレーベルも僕らのようなネットレーベルも、それぞれ良いところがあるので互いにうまく共存できると思っているんです。ネットレーベルの良いところは、口コミなどでSNS上で広がっていくし、お金の契約がないのでタイミングをみて素早く行動に移せるところ。あと、人気曲とのリミックスとかってグレーゾーンな部分があるんですけど、そういうのも無料で出していると問題視されることは少ないし、逆にリミックスされたメジャーアーティストの人気がさらに出ることも考えられるじゃないですか。最近では大手レーベルのアイドルのリミックスを公式に受けたりして、お互いにうまいことやっていけば、音楽シーン全体を盛り上げていけると考えていますね。
それに、会社員として働きながら音楽活動をしたいという人もいるので、そういう人たちにもネットレーベルは活躍できる場所を提供できると思っています。最近は海外のリスナーも増えてきたので、その人たちとも何かやりたいし、将来の話ですけど、月に行ってイベントができたら、重力も軽いから面白く踊れるんじゃないかって(笑)。そのためには知名度も必要だし、やることは多いなぁと感じています。
【プロフィール】
tomad(トマド)
インターネットレーベル「Maltine Records」主宰。2006年頃からラップトップを使ったDJ活動開始。早稲田祭での小室哲哉との共演や、秋葉原にあるクラブMOGRAにて☆TakuTakahashiとの共演、また今年1月にDOMMUNEにDJとして出演し累計2万人近くが視聴するなど幅広いフィールドで活躍中。2009年から都内のクラブにて自身のイベントオーガナイズも行っており、昨年夏に代官山UNITにて開催された「もうなんかやけくそでサマーオブラブ」や新宿風林会館での「歌舞伎町マルチネフューチャーパーク」を大成功のうちに収めるなど、こちらも精力的に活動している。
http://maltinerecords.cs8.biz