やけのはらが若者に伝えたい「世の中の多様性」とは
- Oct.10,2012
DJ、ラッパー、トラックメイカーなど多岐にわたる活動で、「FUJI ROCK FESTIVAL」、「METAMORPHOSE」、「KAIKOO」、「RAW LIFE」、「SENSE OF WONDER」、「ボロフェスタ」など、数々のイベントや日本中の多数のパーティーに出演する、やけのはら。年間100本以上の多種多様なパーティーでフロアを沸かせる彼の価値観を聞いてみた。
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音楽が興味の対象に入ったのは中学生の頃からで、もともとヒップホップとかテクノが好きでしたね。サンプリングっていう方法論だったり、De La Soulとか好きだったんですけど、人の曲をコラージュして作品をつくるっていうのが感覚として新しかったし、面白く思えたんです。90年代前半だったんですが、その前に流行っていたバンドブームの頃の音楽とは違う感じが、子ども心にも分かったんだと思います。それまでは、歌う人がいて演奏する人がいるっていうのが当たり前の感覚だったので、今考えるとヒップホップやテクノの発想が新鮮だったんでしょうね。
DJとしては、100人のイベントに10回でるより、1000人のイベントに1回でた方が楽ではあるんですけど、行ったことのない土地に行くのが好きなので、好奇心から年間100本くらいのパーティーにDJとして参加しますね。日本中いろんなところから呼んでいただいていて、今まで30以上の都道府県に行っているんですけど、なかなか自分が旅行で行かないような場所を訪れるのは楽しいです。いろんな街や人や食べ物に触れる中で、いろんな人やその考えにも触れられた経験はとても貴重でした。まだ行ったことのない県もあるので、この際47都道府県全制覇したいですね。
そうやって音楽活動をする中で、自分のアウトプットの方向性はその時々によって変わるんですけど、根底の思いとしてラップなど歌詞が入るような作品に関しては、世の中には色んな人や色んな考えがあって、そして色んな楽しみ方があるんだっていう、世の中の多様性みたいなことが若い人に伝わればいいなと思っています。最近は、合理化というか志の低いインスタントで下品な物事が多いように感じるのですが、そういう風潮とは違った物事の面白さっていうのを見せたいなって思います。ひとつの音楽にしろ、含みとか複合性といった、もっとそこから広がっていくこととか、そこに至るまでのいろんな要素が伝わったら嬉しいですね。
【プロフィール】
やけのはら
年間100本以上の多種多様なパーティーに出演、MIX CDも多数リリースするDJ、ラッパーであり、バンド「younGSounds」ではサンプラー、ボーカルを担当している。2010年夏、ソロ・ラップ・アルバム『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』をリリース。その後、Stones Throw15周年記念のオフィシャルミックス『Stones Throw 15 mixed by やけのはら』を手がけ、2012年には、younGSoundsでアルバム『more than TV』をリリース。
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