天才ウェイクボーダー・手塚翔太「夢を見せられるような大人になりたい」
- Oct.22,2012
小柄な体格とは裏腹に、ダイナミックなエアーを武器に活躍するウェイクボーダーの手塚翔太。父の影響で小学校2年生からウェイクボードを始め、現在はプロとして世界で活躍している。彼の人生を大きく変化させたのは、ウェイクボードの本場・アメリカだった。
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まわりでウェイクボードをやっている同年代の友だちはいなかったですね。小学校から中学校まで学校が終わったら、すぐに海へ練習に行くというのが基本的な生活で、友だちと遊ぶことは、ほとんどなかったです。でも、まわりの友だちが羨ましいとは全然思わなかったですね。それ以上にウェイクボードが楽しかったんです。
始めた当時のことは、よく覚えていないんですけど、水の上で立ったときの陸の上では味わえない爽快感がたまらなく気持ちよかったんでしょうね。ウェイクボードの魅力のひとつは、水の上を滑る、飛ぶ、といった非日常でエキサイティングな感覚を味わえることだと思うので。
小学校6年生のとき、史上最年少でプロになれたのですが、プロを目指したきっかけは小学校4年生のときに、初めて出場したアメリカの大会に刺激を受けたこと。海外の選手は、基本的にはストイックなのですが、日本の選手に比べてフレンドリーなところがあって、みんなで高め合っている感じがするんです。陸の上では友だち同士ですが、水の上では競い合うライバル同士。そんなメリハリ感が好きです。だからアメリカは大会自体もすごく楽しいんです。
僕自身は、大会でも常にその瞬間を「楽しむ」ようにしています。それもやはりアメリカの選手たちに影響された部分が大きいですね。今後は、現在のポジションをキープしつつ、3〜4年後にはチャンピオンになることが目標です。そして、たくさんの人に夢を見せられるような大人になりたいと思っています。まず、自分自身が夢を描いて、実現していく姿を見せ続けていくことで、結果的に誰かに希望を与えることができたら嬉しいですね。
【プロフィール】
手塚翔太(てづか しょうた)
1993年生まれ。静岡県出身。
小学校3年生の時にJWBA関東大会に出場し、Jr.Boyクラスで優勝。その年の全日本選手権でも優勝した。翌年には、ワールドチャンピオンシップ(オーランド)にも出場する。その後も、自分自身のスキルアップに努め、その年の全日本選手権で上位入賞し、日本人初の小学生プロウェイクボーダーに昇格するなど、天才少年として話題を集めた。プロ昇格後も、国内を中心に数々の大会で入賞するほどの成績をおさめ、2007年の「ワールドシリーズNISSAN X-TRAIL CUP in お台場」では、史上最年少でファイナルに進出。2009年には「Wakeboard J-ROUND in お台場」でプロ初優勝を成し遂げる。また同年には、韓国にて開催された「IWWF WAKEBOARD CHAMPION SHIP」でJr.MENクラス優勝するなど、今後最も期待されているウェイクボーダー。メディアにも多数出演し、ウェイクボード界以外でも大きな注目を集めている。