アートディレクターとDJがリンクする、近藤麻由の世界観
SUPER STAR NEWS

アートディレクターとDJがリンクする、近藤麻由の世界観

 ファッション系のアートディレクションを数多く手掛けるだけでなく、PUNKADELIX名義でDJとしても活動するなど、多彩な顔をもつ近藤麻由。一見、異なる二つの顔は実は密接にリンクしているのだという。

* * *
 子どもの頃からアートが好きで、一人で美術館によく通っていました。小学校の時に印象派の絵にすごく影響を受けて、ヨーロッパの風景や光、人物のテイストに興味を持ったんです。純粋に綺麗だなって思ったし、ファンタジーな雰囲気もあるので、幼少期の自分でも入りやすかったんだと思います。印象派がもつ光の感じだったり、色づかいは今の仕事の雰囲気に活かされてる気がしますね。

 だから今でも一番大切にしているのは「純粋さ」。ものを見る目でも何でも、小さい頃のあの感覚をなるべく大事にしたいなって思うんです。大人になると色んな気持ちが入ってくるし、ファッションってトレンドで移り変わるものだから、可愛い方がいいとか、かっこいい方がいいとか、流行に気持ちが揺れ動くものですよね。だから自分のマインドに純粋でいたいなって考えていて、それが作品を見てくれる人に響けばいいなと思っています。

 その気持ちを維持するために、積極的に良い作品を見たり、旅に出て、美術館や建築物など何かしらの文化に触れるようにしています。そうじゃなくても、日常にあることに触れることも大切だと思っていて、道端に咲いているちょっとした花や、光の入り方や窓の形とか、些細なことにも気を留めています。もう、癖みたいなものですが。

 DJもやっているので、夜は客観的に人を見ますね。若い女の子たちが可愛い服でメイクしてくるから、ファッションの動向がなんとなく入ってきたりします。そこでリアルな情報が入ってくるから、私は雑誌を見たり人のブログを読んだりは、あまりしないんです。やっぱり、そういう人たちと直接会って話すことは楽しいし、そこからインスピレーションを受けることも多いですね。音楽が純粋に好きっていう理由もありますが、自分が東京という場所に住んでいる以上、東京の良いところも悪いところも、しっかり知っていないといけないと思っていて。クラブっていう東京の若いエネルギーが集まっている場所に居ると、そういったものが垣間見えてきます。多分、スタジオにこもりっきりだったり、パソコンの前にいるだけじゃ、そういうものが見えなくなってきてしまうと思うんです。

 そんなアートディレクターいう自分と、DJとしてストリートにいる自分の中間にある世界が、自主発行している「RUBYPAPER」。関わっているクリエイターの人たちも半々くらいなんです。そうやって音楽やファッションのカルチャーがリンクしていったら面白いなって思っているし、もっと東京から世界中の人に発信していきたいと考えています。

【プロフィール】
近藤 麻由(こんどう まゆ)
アートディレクター/DJ フリーランスのアートディレクターとして、主にファッションブランドやCDジャケットなどのヴィジュアル撮影のディレクション、 グラフィックデザインを手掛け国内外に於いて活動している。2010年より自身によるインディペンデント誌"RUBYPAPER"を発行し、 2012年10月末に第3弾となるissue03を刊行予定。また、『PUNKADELIX』名義でDJとしての顔も持ち、東京をベースに幅広いシーンに於いて音楽活動を続けている。2012年3月にオフィシャル・ミックス「ELECTRONIK BEAT PUNK」をリリース。

http://www.eyescream.jp/blog/author/mayu/
http://punkadelix.exblog.jp
http://rubypaper.jimdo.com
twitter MAYU_punkadelix

【「SUPER STAR NEWS」最新記事】

RECOMMEND
おすすめの記事

FAVORITE
人気の記事

INFORMATION
インフォメーション

SEARCH
サイト内検索

CATEGORY
カテゴリー

雑誌紹介

連載

ARCHIVE
日付別アーカイブ