月本えり 「ファッションのルーツを知って一歩先のオシャレを」
- Nov.22,2012
月に15本ほどのファッションイベントやクラブでのDJをこなしながら、ファッションディレクターとしても活躍する月本えり。彼女が語るファッションと音楽の関係とは。本人に聞いた。
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昔から男っぽいカルチャーが好きだったんです。父がアメカジ好きで、その影響で小学生の頃からスカジャンを着たりボーイッシュな格好をしてました。裏原のDCブランドブーム全盛期のときは、A BATHING APEやUNDERCOVERとか並んで買っていたくらい。メンズのパーカーにデニムを腰パンで履くようなファッションでしたね。顔周りはメイクで女の子っぽいけど、服はメンズ。友だちにギャルが多くて全然話が合わなかったので、常に男友だちと一緒にいて、クラブに遊びに行ったりしてましたね。
私が最も影響を受けたそんな裏原カルチャーには必ず音楽が関わっていました。このファッションにはこの音楽が合うっていう定義があって……たとえば、DEVILOCKを着ている人たちはロンドンナイトに行くとか。今のアパレルって、そういうものがあまり無いと思うんですね。レディースはとくに無くて、AC/DCのTシャツを着ているのにAC/DCを知らないで、ただロックなデザインのTシャツとして着ていたり。そこにあるルーツやカルチャーを知っていて着ているのと知らないで着ているとでは、同じオシャレでも大きく違うと思うんです。一歩先のオシャレというか。
もともとファッションのルーツを調べることが好きなんですよね。たとえば、モッズコートにはドクターマーチンのブーツを合わせます。それはモッズとスキンズがルーツになってて……。そんな風にファッションにも歴史があるんです。DJとして、そういったことを伝えられるお手伝いができたら嬉しいですね。レセプションのパーティーに呼ばれることも多いので、そのブランドのルーツにちなんだ音楽をミックスできるようになると、デザイナーさんの気持ちをみなさんに伝えることができるのかなぁと考えたりしますね。
ファッションでいうと女の子って、「足が太いから短パンは履かない」「太ってるからこういう服は着たくない」とか、まわりの目を気にするじゃないですか。私も似たようなコンプレックスで悩んでいました。でも16歳の頃、仕事でアメリカに行ったときに自分の体型を気にしないでファッションを気ままに楽しんでいる女性たちを見て衝撃を受けました。人の目ばかり気にしてつまらない人生を歩もうとしていたなーって感じたんです。何を発信するのも自由だし、何を着るかも自分の自由。どの仕事をするときにでも、たくさんの女の子たちに気持ちごと変わってほしい、という思いでディレクションしています。
【プロフィール】
月本えり(つきもと えり)
集英社『Seventeen』モデルを経験後、しばらくの活動休止を経て、2007年より女性誌読者モデルとして活躍し講談社よりViViムック本『読モのくせに』、 妄撮『読モーサツ』を上梓。ファッション媒体各誌、民法キー局のTVレギュラー出演他、様々なメディアに登場する中で、レディースブランド「BAPY(reprise)」のディレクター職を皮切りに、 現在では従来のファッションモデル、タレント、DJだけでなく、ファッションディレクターとしてもマルチに活躍。10代より傾倒していたニュースクールヒップホップ~ブラックミュージックをバックボーンとした現在進行形の重低音サウンドをメインとした選曲と、見た目とは裏腹のメンズライクなパフォーマンスを特徴とする彼女独特のDJスタイルが国内外のクラウドを虜にしている。
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