クイック・ジャパン vol.102 のコンテンツ
102号紹介「たりないふたり─ 山里亮太と若林正恭─」
2012.6.01
『たりないふたり─ 山里亮太と若林正恭─ 』
収録レポート& インタビュー
たりないが、ただしい
『たりないふたり』を観ると、声を上げて笑うその余韻にどこかほろ苦いものを感じる。
自分の心の裏側をチクチクと刺激されたような、そんな気持ち。社交性が、快活さが、飲み会やカラオケやBBQやコンパやみんなが楽しむ場で「イェーイ」とか「マジっすか?」とか「あげぽよ~」とか言う勇気が、たりない。
山里亮太と若林正恭のふたりが「たりない」コンプレックスを漫才へと昇華する深夜番組『たりないふたり』(日本テレビ/毎週火曜深夜一時二九分~)。今や押しも押されぬ人気者のふたりが、週イチで新作漫才を披露。しかもそのネタは、共感と嫌悪のギリギリのバランスをついてくるから、本当にタマらない。この番組、じわじわと、しかし確実に、テレビを侵食している。(西澤千央=文)