クイック・ジャパンvol.120 のコンテンツ
120号紹介「井浦新」
2015.6.12 | 2015.7.22 updated
全90ページ特集
井浦 新
暮しが仕事 仕事が暮し
井浦には、住み分けがない。
取材中、率先してタクシーを拾い、お腹は空いてないかと周りを気遣う。
「月9や大河ドラマにも出演した、あのクールな人気俳優」であることを、ハッと思い返すことが
何度もあった。そういった垣根を井浦は気にしない、切り替えない。常に一定である。
井浦は人と人をつなぎ、いつのまにか環にしている。
モデルからクリエイター、そして俳優とがむしゃらに走り、今ではカメラマンとしての顔も見せ始
めた。実は匠文化機構の理事長という肩書も持っている。
日々の生活の延長線上に仕事があり、仕事の延長線上に生活がある。
井浦の生き方には境目がなく、とても風通しがいい。
「暮しが仕事 仕事が暮し」
井浦が敬愛する、陶芸家の河井寬次郎が残した言葉。まさに、この言葉をまっすぐ生きている。
彼は今、40歳になった。
趣味・興味の幅を広げ、好きなことを追求していった結果、類を見ない存在になった。
点と点がつながった、大きな環。もともと趣味の多い彼の顔が、より多面的になってきている。
「この機会だから、僕自身、振り返ってみたいと思っていた」
そう言って特集を快諾してくれた彼に導かれるまま、元プロレスラーの小橋建太氏、俳優の
大西信満氏、果ては下鴨神社の新木宮司など、環のひとつひとつを丁寧に見せてもらった。
印象的だったのは、会える人にも、会えない人にも直接電話をして相談する彼の姿。
この特集は、彼がアジア各国を巡る長期撮影から、一旦帰国したタイミングで取材を行っている。
取材中、旅の感想を聞いた時に言った言葉がある。
「改めて、ただ当たり前に生きることの大切さを感じました」
当たり前の、40歳の井浦新の姿を見つめてみたい。
◆密着ドキュメント 井浦がつなぐ人の「環」
京都編 日本の伝統の素晴らしさを伝えたい
◆対談 小橋建太 人生の軌跡をデザインする
◆密着ドキュメント 井浦がつなぐ人の「環」
東京編 自分にとってはすべてが現場
◆井浦 新 撮影
人間らしく ――アジアハイウェイで出会った、「人だらけの旅行記」
◆対談 大西信満 役者として共鳴し続けていく
◆フォトアルバム「あの日の記録 2005‐2014」
◆TOSHI‐LOW「心友」
◆井浦 新 12,000字インタビュー 40歳を振り返って
◆是枝裕和からの手紙