クイック・ジャパン vol.90 のコンテンツ
90号紹介「神聖かまってちゃん」
2010.6.06
かまってちゃんをかまう理由
2009年の初頭、一部のネットユーザーの間から徐々にその名前を広めていった神聖かまってちゃん。
2ちゃんねるで自作自演の騒ぎを起こし、自主制作した映像とともに楽曲を動画投稿サイトなどにアップし、ネットの生配信を活動に積極的に取り入れるなど、今までにない、新しい試みを続けている。ネットをバンド活動の戦略に使うアーティストは星の数ほどいる。しかし、神聖かまってちゃんにとってのネットは、「宣伝のため」と言うには余りにも無防備、かつ無計画、かつ面白すぎる。
本誌は昨年の11月に、ヴォーカル・の子の自宅にて配信をしながらの取材を慣行。その強烈な個性と匂い立つバックボーン、そこから生まれてくる楽曲の切実さに大いに惹かれた。それから半年、彼らを取り巻く環境は大きく変わった。
音楽に携わる人々の口に彼らの名前が上らない日はないほどに注目され、音楽専門誌やwebサイトにこぞって取り上げられ、挙句の果てには、天下のNHKに出演するほどに、猛烈なかまわれようだ。
だからこそ、神聖かまってちゃんは今、これからも本当にかまうべき存在なのかの真価が問われている。神聖かまってちゃん史上初めての巻頭表紙特集を組むことによって見えてきた、彼らの姿とは? 思いとは?
ひとつだけ言えるのは、神聖かまってちゃんに出会ってから、私の頭の中ではずっと、神聖かまってちゃんが鳴り止まないっということだ。（文・七井えり）
