クイック・ジャパン VOL.92 のコンテンツ
92号紹介「こびとづかん」
2010.10.08 | 2014.8.25 updated
こびとづかん
カクレモモジリがあらわれた!
子どもが喜ぶものランキングは、ハンバーグにWiiに「志村うしろー!」などが上位を占めるだろう。
しかし永世第1位はUMA=未確認生命体に違いない。
ツチノコにイエティにチュパカブラにスカイフィッシュ。
日常のすぐ近くに棲息している、科学で解明されていない生き物の話をすれば、どんな虚弱児だろうと目をらんらんと輝かせる。
かつて人々の生活には、奇抜なファッションの婆さんの目撃例と同じぐらい、UMA情報は根づいていたものだが、不毛なコンプライアンスの強化などで、発見例は途絶えかけていた。
しかし数年前より突如、森や街中に「コビト」が現れ、じわじわ人気を集めている。
きっかけは、なばたとしたかの絵本『こびとづかん』(長崎出版)。
手のひらサイズで、やたらと老け顔の「コビト」たちと子どもの交流を描いた物語だ。
架空の物語のはずなのに「これは本物の観察日記?」という、不思議な感覚を呼び起こす。
「コビト」を知れば、きっとあなたも、物陰に小さな気配を感じるはず。(文・浅野智哉)