クイック・ジャパン編集部ブログ
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THE HITS 始動!
2010.3.09
THE HITSというプロジェクトが動き出すと聞いたのは、
年明けて間もない頃のこと。
過去の名曲をオルガンを中心に据えたバンド編成でカバーする
プロジェクトだということ。
カバーアルバムが大手を振って歩く時代にちょっと嫌気がさしていたところも
あったので、正直「何故に?」と思う心もございました。
ただ、気になったのは「オルガンを中心に」ということ。
どういうこと?
栗コーダーカルテット的なこと?
しかも面子がすごい。
オルガンを弾くのは山下達郎やら桑田圭祐やらの演奏も手掛けてきた
稀代のキーボーディストの難波弘之氏。
ドラムはくるりの元ドラマー、森信行氏。
ベースはKYOTO JAZZ MASSIVEなどでも活躍する池田憲一氏。
ってかジャンルバラバラじゃない?
そんな疑問と不安を抱きながら、セッション初日のスタジオにお邪魔してきました!
到着した瞬間に聴こえてきた耳覚えのある楽曲。
それは、レッチリの「Californication」!
いやいやいや、ちょっとびっくり。
しかもまったくイージーリスニングとは真逆のロック方向。
ちょうど池田氏があの印象的なリフを録音している最中でした。
森信行(Dr.)、池田憲一(Bass)
その後難波氏がオルガンでメロディラインを音録り。
ロックのメロディライン(しかも英詩)をオルガンで再現するっていうのが
至難の技だってことが良く分かる。
でも、それをロックテイストでやれるのが難波さんなのだなと思う。
そこに厚く絡む森さんのドラム。
難波弘之氏(Org.)
正直聴くまではもっとsubmegreっぽい感じなのかと思ってたのですが
(池田さんもいるし)思ったよりも生音。
オルガンの方がギターよりもロックっぽい音を出すこともできるんだなってことと
同時に、ロックなんだけどオルガンで聴くとメロディが際立つから
抒情性が増すんだなと思う。
ここでこの場では最年少なのにキレ者ディレクターが
「もっとクラブジャズっぽい感じがほしい」との要望が。
セッションの方向性を話し合う皆さま
そこで今度は皆で同時に音録りを開始。
私録音スタジオにこっそりお邪魔して端のほうで爆音で音を聴かせて
いただきました。
セッションの最中には最高のバイブレーションが
そこでなる音は今度はまた全然違う、セッションならではの躍動感が
生まれていて。
セッション初日ですよね?
なんでこんなに息ぴったりなんですか!?
と誰かに詰め寄りたくなるくらいの凄まじさ。
これからオリジナルとの距離も考えながら様々なアプローチで
楽曲をカバーしていくとのこと。
Oasisの名前も挙がってましたよ。
左から池田氏、森氏、難波氏
これからどうなっていくのか本当に楽しみなプロジェクト、THE HITS。
皆さんに話を訊くと
難波氏
「面白いのは、譜面を書いてきても、音合わせをあしたら一発でがらっと変わるところ。
いろんなアイディアを持った人間の集まりだから、これから出てくる
音がどんなものになるのか楽しみです」
森氏
「いろんな化学変化が起きる場所だし、いろんな予感がある。
3人の重なっている部分とはみ出る部分を大事にしたいです」
池田氏
「この2人とできるのがとても光栄です。みんなフィールドは全然違うのに
初日を迎えてみて『面白くなりそう』って確信できたし、本当に可能性を感じてます」
とのこと。
今後の動向も追っていきたいと思いますのでお楽しみに!
ちなみに、お礼を言って帰ろうと離れたスタジオからは
「Dani California」が聴こえました。
七井