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第1章 てっきり冗談なんだろうなと
―――2月の中旬に『モヤモヤさまぁ~ず2』(以下『モヤさま』)のゴールデンタイムへの移動が一部メディアで報道されましたが、視聴者の反応はいかがでしたか?
伊藤 「なぜゴールデンなの?」ってメールが局にたくさん届きましたね。なかには「伊藤Pにちゃんと話したんですか?」みたいなのもあったそうで……。
―――(笑)。あの伊藤Pがそんなことするわけないから、知らない間に会社が勝手に決めたんじゃないかと思ったということ?
伊藤 そうみたいですね。ただ、北本かつら(構成作家)に言わせると今回の移動は「伊藤Pの出世のため」らしいです(笑)。それは冗談としても、僕自身は心苦しいなと思ってます。
―――2月26日の放送内で伊藤さんの口からも今回の件が正式に発表されましたが、ゴールデンへの移動を最初に打診されたのはいつ頃ですか?
伊藤 去年の11月下旬に、新任の編成部長からチラッと言われたんですよ。彼は『ガイアの夜明け』とかを作ってた人なんですけど、これまでちゃんとお付き合いしたことなかったからてっきり冗談なんだろうなと。
―――それが冗談じゃなかった。
伊藤 ゴールデンタイムの枠が空くってことは聞いていたので、「じゃあ俺たちで新しい番組をやろう」って現場のスタッフたちと話していたんです。そうやって企画書をいくつか出したら、編成部長が真剣な目で「その枠は『モヤさま』なんだ」と。「えっ?」って(笑)。
―――編成部長としては「挨拶代わりにプログラムを一新」って感じなんでしょうか?
伊藤 いや、そうじゃなかったですね。元々テレビ東京はそんなに高い売り上げの局ではないんですけど、テレビが厳しい状況のなかギリギリの体制なのも事実で、そういうときだからこそ将来を見据えなきゃいけない、目先の数字ばかり気にしてる現状を変えたいって言ってました。
―――なるほど。
伊藤 面白いなと思ったのは、「編成部長の特権は自分の好きなようにできることだ」って言うんです。自分がいいと思ったものは、理屈に関係なく実現できる。それを聞いて「この人、マジなんだな」と(笑)。
―――完璧に本気の発言ですね(笑)。
伊藤 これからのテレビはブランディングの時代だから、知名度と視聴者の支持というステータスを持ってる番組を軸にすることがテレビ東京の未来に繋がるんだと。そのためにはゴールデンタイムに『モヤさま』が必要なんだと言われて。そこからですね、真剣に考え始めたのは。
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