スペシャルコンテンツ
web special 2013.4
Quick Japan Special Issue ももいろクローバーZ ~The Legend~ 2008-2013 刊行記念
川上マネージャーを囲む会
川上アキラ×小島和宏(ライター)×藤井直樹(QJ編集長)
←前の章 | スペシャルコンテンツトップ | 次の章→
第1章 異常な情熱は惹かれあう
藤井 今回は『Quick Japan Special Issue ももいろクローバーZ ~The Legend~ 2008-2013』(以下、「QJ別冊」)の刊行と、西武ドームの成功、そして、もうすぐ迎えるももクロ結成5周年を祝って、3人でいろいろと話をしてみようと思っています。
川上 (QJ別冊をめくりながら)いいよねぇ、この感覚が。やっぱり活字が好きなんですよね。
小島 こうやって形に残るというのは、本当によかった。
川上 ウチのファンはみんな活字好きだと、勝手に思いこんでるんだけどね。こうやって丁寧に作られているのは、やっぱりいいですよ。
藤井 ちなみに川上さん、Quick Japanのこと、どう思っていましたか? 最初の特集のとき(QJ95号/2011年4月刊行)、僕がいきなり電話をしたわけじゃないですか?
川上 いや、もっと斜に構えているのかなって。僕はプロレスの雑誌ぐらいしか読んでなかったから、Quick Japanの存在は知っていたけど、表紙の人とか見て「あぁ、すげぇんだろうな」ぐらいの感覚ですよ。でも、藤井さんに会って、あっ、そうじゃないんだ、とわかったんでね。まぁ、いまだに疑っているところはあるんだけど……ウソ、ウソ(笑)。ものすごく真摯に向き合っていただいているのはわかっていますから。
藤井 キチンと作っている方、キチンと表現されている方への敬意は誰よりも払いたい、という気持ちがあるんで。
川上 あとはね、レイアウトが丁寧ですごく見やすいんですよ。
藤井 それはもう白鳥のようなもので、表向きは優雅に見えるかもしれないですけど、水面の下では死にそうになって作っている、という(苦笑)。
小島 でも、だからこそ出せる熱量ってあるじゃないですか? これを大人数で優雅に編集していたら、逆にこうはならない。少ない人数でうわーっとやるからいいんであって。
藤井 本当に一気にテンションあげてね。
川上 いいなぁ、そこに少数精鋭の幻想が膨らんできて、すごくシンパシーを感じるんですよ。それこそ小島さんがいらっしゃった週刊プロレスがそうじゃないですか? 週刊誌なのに、あの人数でやってるの? みたいな。
小島 本当に5~6人で死にそうになって作ってましたからね。いや、なにが怖いって、死にそうを通り越して「もう死んでもいいや」と思ってやってましたから。
川上 それがすごいんだよなぁ~。
藤井 やっぱり異常な情熱は惹かれあうんですかね。
川上 僕なんかは週刊プロレスを読んできて「それが楽しいんじゃないか」というものが植えつけられているわけですよ。仕事でもその温度で接していると、みんな逃げていっちゃうんだけど。ハハハハ。
小島 今はあの当時に近い熱量で書いてますけどね。ここ10年ぐらい、すべてを投げ打ってでも書きたい、という題材にめぐりあえなくて、ずっと悩んでいたんですよ。そこでやっと出会えたのが、ももクロ。単純にもう「書きたい!」という衝動を覚えたんですよ。
川上 その活字の熱量をお客さんにも感じてもらえたらいいですよね。
藤井 そうですね。こういうものこそが「活字」なんだって。もう失われて久しいけれども、ここにそういう風に熱量をもって、情熱をもって接するに値する人たちがいて、ここに狂ったように追う人がいて(笑)。
小島 そして、それを載せてくれる媒体がある、と。そこまでだったら自己満足で終わるけど、ちゃんと読者のみなさんに受け入れていただけて、別冊という形で残せるのは本当に幸せです。
藤井 本当にこんなに熱量もってやらせていただいたのって、僕の編集人生の中でもはじめてのような気がします。
←前の章 | スペシャルコンテンツトップ | 次の章→