スペシャルコンテンツ
web special 2013.4
Quick Japan Special Issue ももいろクローバーZ ~The Legend~ 2008-2013 刊行記念
川上マネージャーを囲む会
川上アキラ×小島和宏(ライター)×藤井直樹(QJ編集長)
←前の章 | スペシャルコンテンツトップ | 次の章→
第2章 すべてが「行って来い」になっている
川上 これはよく喋ってることですけど、自我を形成した時期に本当に多大なる影響を週プロから受けてるんですよ。だから、ももクロを作っている中では、根本的に小島記者の考え方に近いものはあるんですよね。
藤井 よく僕も言いますけど、小島さんの文章って、めちゃめちゃももクロに合うんですよね。すごいピッタリ合うんですよ、視点と書き方が。
川上 まさに、ですよね。最初に読んだ時、「あれ?」って思って。やっぱりね、プロレスはプロレスなんですよ。ももクロとプロレスに近しいところはあるかもしれないけど。
小島 魂揺さぶられるっていう意味では本当に、僕が子どもの時にプロレスを見てたのと同じ感覚ですよ。「うわ、なんだこれ」っていう。そういえば、あかりんが脱退するときに、中野サンプラザのトイレでたまたま大槻ケンヂさんに会ったんですよ。お互いに「おぉぉ、なんでこんなところに」ってなったんですけど、まさか、のちのち、ももクロと絡むことになるとは……先日の西武ドームでは邪道選手(新日本プロレス)に会ったんですけど「21年前に小島さんに取材してもらったインタビュー記事が出てきましたよ」って、古い週プロの写真を見せられて。21年も経って、アイドルの現場で再会するなんて、当時は想像もしていなかったわけで、本当に不思議な縁ですよね。
川上 そこが面白いんですよ! すべてが「行って来い」になっている。小島さんが取材していたレスラーの方とウチの現場で一緒になったり、僕が読んでいた週プロの小島記者がウチの記事を書いてくれたり。昔の週刊ゴングは事実だけが述べられていたけど、週プロにはまったくもって試合経過が書かれていない。田舎に住んでたら、びっくりするじゃないですか、そんなの。
小島 まぁ、妄想の世界ですよね(笑)。ちゃんと取材はしているけれども、読者に考える余地も残しておく、という。
川上 でも、それがある一定の見方であって。「文章で考える」というね。
藤井 小島さんがそういう文脈で、ももクロに対して「おや、これは!」って思ったのはいつ頃なんですか?
小島 早見あかりの脱退をネットで配信していたのを見た瞬間ですね。その前からAKBとか書いたりはしていて、周りから「小島さん、絶対ももクロはハマるから見なくちゃダメだよ」って言われてたんですよ。激しく言われたのは最初のももクリ。「いや、でも家庭があるのにクリスマスは無理だ」って断ったら、その直後にあかりちゃんが辞めるって、みんな大騒ぎになってて。それをネットで見て「うわ、うわ、うわ! 確かにこれは今、見なくちゃいけない」って。それで慌てて中野の1部と2部のチケットを押さえて、過去の映像を必死になって見まくって。あとは自分でも想像がつかない勢いでハマっていった、としか言いようがないです。なんかガマンができなくなって、Zになって最初のツアーで名古屋まで追いかけちゃったことで、完全にネジが外れましたね。40歳を超えたら、アイドルのライブに行くこと自体、ハードルがすごく高くなるんですけど、早見あかりの脱退という事件があったおかげで飛び越えられたし、一度、飛び越えちゃうともうなんの抵抗もなくなるんですよ(苦笑)。
←前の章 | スペシャルコンテンツトップ | 次の章→