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web special 2013.8
Quick Japan vol.109 百田夏菜子125ページ全力特集号 刊行記念
川上マネージャーを囲む会 part.2
川上アキラ×小島和宏(フリーライター)×藤井直樹(QJ編集長)
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第5章 CENTER OF THE CENTER
小島 いまだからページが足りなかったとか言えますけど、さすがに最初は不安でした。「えっ、全部、俺が書くの?」って(苦笑)。本当は複数のライターが分担すべきだと思うんですよ。いろんな人が書いたほうが、いろんな面が出てくるじゃないですか? でも、今回に関しては、あぁ、ひとりでやらせていただいてよかったな、と。すべての取材が1本につながってくるんですよ。全部、読んでいただければわかると思うんですけど、どこかでほかの企画とリンクしてくる。
川上 夏菜子ちゃんの特集を作っていただいているつもりだったんですけど、この1冊はやっぱり、ももクロの本質に迫っていると思うんですよ。だから、夏菜子ちゃんのファンだけではなく、いろんな方たちに読んでもらいたいなぁ、というのはありますね。
藤井 今回の特集に「CENTER OF THE CENTER」っていうキャッチコピーをつけたんですけど、僕はカルチャー誌を作る人間として、ももクロというグループは「アイドル界のセンター」というだけではなく「生きているいまこの時代のセンター」だと思ってるんです。そして、百田夏菜子という人はそのセンターの中のセンター、つまり“ど真ん中”である、と。
川上 たしかにウチが目指しているのは「アイドル界のセンター」ではないですからね。そういう意味では、いままでの女性アイドルにないぐらい長い期間、面白いものを見せられるんじゃないかなとは思ってますけど。
小島 反響の中でうれしかったのは、若い人たちが「普段は本を読まないけれど、今回だけは読んだ」みたいなことを言ってくれたこと。そういう文化の壁みたいなものを、彼女がぶっ壊してくれたのかな、と。
藤井 ページの左下の隅っこに入ってる夏菜子ちゃんの「パラパラ漫画」も反響が大きいんです。あれは雑誌にしかできない遊びだと思うので、ちょっとやってみたかったんですよ。他にも、表裏のダブル表紙にしてみたり、ひとつのページの中にQ&Aみたいな違うレイヤーのものを組み込んでみたりと、雑誌メディアの可能性を勝手に追及しました(笑)。
川上 みんな喜んでくれてますよね。いまのご時勢には逆行しているのかもしれないけれど、そうやっていろんな世代の架け橋にももクロがなれているんなら、活字好きの世代としてはうれしいですよ。
藤井 小島さんの本『ももクロ活字録』も8月末に刊行されますね。
小島 ありがとうございます。あれは本当に僕にとっての『入り口のない出口』みたいなもので、勝手に書き残してきたものをまとめたものなんですけど、いまから過去を振りかえってドキュメントを書いてもいいけど、成功することも、紅白に出ることもわかった上で書いても面白くないと思ったんですよ。だったら、明日がまったく見えなかった時代をリアルタイムで追いかけた原稿をまとめたほうが、臨場感や時代の空気も再現できるんじゃないかな、と。
川上 なるほど。やっぱり活字は面白いと思いますけどね。あっ、良い結論だ。ホントそうだと思いますよ。
藤井 これからもQJはももクロの“いま”を伝えていきたいと思います。次号からは新展開です。よろしくお願いします!
構成=小島和宏
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