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　そんな展開が崩れたのは、曲紹介のとき。

　この番組ではゲストの思い出の曲を自由に流すことができるだが、杏果がリクエストしたのはEXILEの「Kiss you」。かつてキッズダンサーとして、EXILEと一緒にステージに立った忘れられない曲、だという。

　そのときの思い出が一気に噴き出したのか、完全に杏果のトークにスイッチが入る。曲紹介をしてから、実際に曲が流れるまで、こんなにも時間が空くことなんてあったっけ、と思ってしまうほどのロングトーク。

　ようやく曲が流れたが、スタジオの中では、杏果がずーっと身振り手振りをしながら、なにかを熱弁している。ラジオなのに、曲中で会話は流れていないのに、と思ったら、なんとも微笑ましくなる。

　ようやくエンジンがかかってきたが、曲前のトークで時間を使いすぎてしまったため、残り時間はわずか。それでも弾みだしたトークを聞いていた川上マネージャーがこんなことを漏らした。

 「滑舌が悪いからラジオはどうかなぁ、と思っていたけど、なんだろうなぁ、スーッと声が耳に入ってくる感じがいいんだよな。ラジオ向きっていうよりも、深夜ラジオ向きかも知れない」

　たしかに声やしゃべりの魅力は、こうやって一人で出演しないと、なかなかわからない。ひょっとしたら、この日、有安杏果は新しい才能と可能性を見つけ出したのかもしれない。

　4時1分。

　生放送を終えて、杏果はブースから出てきた。

 「楽しかった！　まだまだしゃべれるよ！　2時間ぐらいあっても大丈夫だった（笑）」

　生まれてはじめて深夜3時に緊張した杏果は、早朝4時にそこから解放されて、最高の笑顔を見せた。

　帰り際にどうしても気になることを聞いてみた。深夜は苦手じゃないんですか？

 「あっ、昨年の24時間Ustreamのこと？　あれは私だけ放送前に用事があって、あんまり寝てなかっただけで、たまたま眠かっただけ！　深夜の仕事も大丈夫だから！」

　真夜中の有安杏果に出逢える機会が、これから増えるかもしれない。

＜番組情報＞
『真夜中のハーリー＆レイス』
1422kHz　ラジオ日本　毎週（火）27:00～28:00
・番組公式サイト
http://www.jorf.co.jp/PROGRAM/nwa.php
・ポッドキャスト配信サイト
http://blog.jorf.co.jp/bijuuradio/
・番組公式Facebook
https://www.facebook.com/HandsomeRace

小島和宏＝文

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