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どうなる!? 『モヤモヤさまぁ~ず2』

web special 2010.3

まさかのゴールデン進出――
緊急インタビュー 伊藤隆行プロデューサー(テレビ東京)

どうなる!? 『モヤモヤさまぁ~ず2』

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第7章 割り切り”と“差別”

―――興味深いのは、いま各局で行われている改編は、下がった視聴率を取り戻すための手段じゃないですか。ところがテレビ東京の改編はこれまでの状況をひっくり返そうという“攻め”の意味合いが強いと思うんです。

伊藤 たぶん『やりすぎ』も『モヤさま』も、「深夜でずっと放送する」というのが誰もが考えるやり方だと思うんです。でも振り返るとテレビ東京には「深夜番組をゴールデンに移動させる」という歴史なんてなかったし、ゴールデンを狙った番組を考えなさいとは強く言われない。「ゴールデンになりそうもないから」って理由で打ち切られることもありませんから。そういう「誰もが考えるやり方」とは反対の考え方だから“攻め”に見えるのかもしれないですね。

―――そこが不思議ですね。ビジネスモデルが同じなんだから、どの局も同じような方向に進むのが普通なのに、なぜかテレビ東京はちょっと違ってるという。

伊藤 うちは経済報道に特化してますけど、こういう発想って視聴者を“差別”してるんですよ。ある一定の層だけに向けてニュースを伝えるってことは、興味のない人を切り捨てたって言い方もできる。でも理解してくれる人にクオリティの高い番組を提供する“割り切り”が、経済報道をテレビ東京の顔にまで成長させた要因なわけで、この顔があったからこそ『ガイアの夜明け』のような企業に密着する番組や、テーマを重視したドキュメンタリーが2桁の視聴率を獲るんだと思います。

―――その顔をバラエティの分野で作ろうと。

伊藤 そうなればいいと思っています。旅やグルメなどの情報系バラエティにおいては、テレビ東京らしい番組がいくつもあるんですけど、思い切って尖った番組というのは90年代の『浅草橋ヤング洋品店』と『ギルガメッシュないと』以降、ほとんど続いてないんですよ。仮に経済報道をA面とすれば、D面のバラエティ番組の質感が弱い。中軸のBやCにあたる歴史の長い旅やグルメ番組を続けていかなくてはならない反面、バラエティ番組で新しい企画を積極的に出していかないと、時代や視聴者の変化に取り残されてしまうでしょうね。

―――伊藤さんの思いは実現しそうですか?

伊藤 うーん。どこも同じなんでしょうけど、会社の判断っていうのは何か事が起きてからなんです。だからDVDにしても売れたという結果が評価されるだけで、本来は売れるためにどのセクションが頑張っているのかを見て、社内的な方針や体制作りに結びつけるべきだと思うんですけど、いつまで経っても「番組が勝手にやってる」という扱い。問題はわかっていて解決の手段もあるのに、現実に何かが変わるということがない。もどかしいですよ。

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