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web special 2013.4
Quick Japan Special Issue ももいろクローバーZ ~The Legend~ 2008-2013 刊行記念
川上マネージャーを囲む会
川上アキラ×小島和宏(ライター)×藤井直樹(QJ編集長)
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第3章 「ファン目線」について
藤井 あれ? 最初の特集のときは小島さん、書いてないんでしたっけ?
小島 いや、クリエイター勢のインタビューを書かせてもらいましたけど、メンバーと川上さんだけには会っていないんですよ。
川上 そうですよね? さやわかさんにやってもらったんだった。
小島 そこから1年間、まぁ、ただ単にいち観客として追っかけていたんですけど、いきなり取材対象になるんじゃなくて、客席から見ていた期間があってよかったと思います。あの1年間で5人に対する絶対的なリスペクトが形成されたんですよね。そのリスペクトは今も変わってませんから。最初の特集から取材していたら、こうはなってなかったと思う。
川上 そこが嬉しいですよね。
藤井 純粋なファン目線から、打たれても打たれても立ち上がる、あの姿を見てきた、応援してきた。
小島 最初はチケット代が安すぎて申し訳ないからって、やたら物販でお金落としてましたからね。
川上 チケットは、今、こういう形で会場がデカくなって、高くなっちゃいましたけどね。
藤井 その分、エンターテインメント性も格段に高くなっていますよ。
川上 だから、その分、ももクノとかファンクラブイベントとかは安くしてあげたいんですよ。その基本となる「ファン目線」って、プロレスに対するファン目線だったんですよね。会場の温度であるとか、お客さんはどう思ってるのかっていう部分で。逆に売り上げを気にしないでやらせてもらえてる会社っていうのはありがたいなと思いますよね。
藤井 たしかに。そこの理解がないと、ここまで一貫した姿勢ではいられないですよね。
川上 すごい売上を立ててくれとか、なんにもいまだに言われないですから。今回の西武も赤が出なければいい、と。いろんなことがデカくなっちゃって、すごく分母が増えちゃったから、そろそろ難しくなってくるかも知れないけれど、そういう体制だからこそ「ファン目線」を持ち続けていられるんですよ。
小島 そういえば、極楽門のすぐあとぐらいに大宮でDVDの手売り会が平日の真っ昼間にあったんですよ。それも当日の朝、いきなり告知する、というももクロらしさ全開で。近所だったんで、僕、買いに行ったんですけど、夏菜子ちゃんと有安さんと長々、話していたら、背後から優しく川上さんに剥がされる、という体験をしました(笑)。
川上 えっ、本当に?
藤井 いい思い出じゃないですか!
川上 いやいや、ひどいですよ、僕は。古いお客さんにはよく言われますけど。
小島 ただ、その日は平日の昼間でイベント自体、本当に緩かったから、川上さんの剥がしも非常にソフトで(笑)。厳密には接触系のイベントではないですけど、そういったイベントがそのころを最後に消えていったのは、本当に絶妙なタイミングでスイッチしたなぁ、と。
川上 どこかで必ず立ち行かなくなるんですよ、そういうやり方は。だから、時代に合わせて変わっていくしかないと思ったんですよね。でも、それはこちらがどうのというよりも、理解してくださったお客さんのおかげだと思っていますけどね。
小島 ももクロには握手会はないもので、ライブで楽しむもの、という認識が当たり前になっていますから。僕もまったくそういったものは求めなかったし、おじさんにはそっちの方が気は楽なんですよ(笑)。でも、これは強いですよ。すごい武器だと思います。
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