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Quick Japan Special Issue ももいろクローバーZ ~The Legend~ 2008-2013 刊行記念
川上マネージャーを囲む会
川上アキラ×小島和宏(ライター)×藤井直樹(QJ編集長)
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第5章 変わらない「ももクロらしさ」
藤井 飽きない、という裏には川上さんのブレない姿勢があると思うんですよ。5人の前では絶対にブレないという意識は絶対にありますよね?
川上 ブレないっていうのはどうなんだろう? ただマネージャーに迷いがあっちゃいけない、というのはすごくありますね、昔から。自分が教わってきた中で、絶対に迷いを出したらいけない、タレントに迷いを与えたらいけないっていうのはありますよね。
小島 ブレがないっていうのは、出来そうで出来ない。
藤井 出来ないですね。自分にだって気分はあるし、体調はあるし。
川上 まぁ、気分屋さんって言われますけどね。別冊のインタビューでも話しましたけど、昨日と今日とで言っていることが違う、というのは、昨日よりも今日のほうが彼女たちは成長していて、だったら、こういうことをやったほうが面白いだろう、と。
小島 つまり根本はブレていないんですよ。成長の速さは、最近、特に感じますよね。馬鹿みたいな話ですけど、僕は昨年の『ももクリ』から今年の『試練の七番勝負』まで、ももクロ以外の仕事を全部、断ったんです。QJ別冊の取材で紅白の裏側に密着させていただいて、あっ、これは気を抜いていたら、彼女たちの成長のスピードについていけなくなる、と。西武ドームを見て、ももクロに専念してきてよかったな、と。ホント、猛スピードに振り落とされるところでした。
川上 いい「試合」でしたよねぇ~、西武ドーム。
小島 家に帰って、テレ玉の録画を見て、また痺れた。実況もなにもなく、もうステージにはいない恐竜の話からはじまって、アンコールを求めるファンの姿でぷっつり終わる。しかも、十万石饅頭のCMも入っている!
川上 「うまい、うますぎる!」ですよ。藤井さん、わからないでしょ? 埼玉銘菓ですよ。面白かったのはリハやってる時に、裏側の狭山湖の道を走ってたら、すげぇ照明がきれいに西武ドームの屋根に映ってて、色が変わったりしてるんですよ。それを見て、あれっ、俯瞰の画も面白いなと思って、音がすごく漏れてくるのもわかったから、Ustreamでドームの屋根だけ定点で映して「音漏れ中継」をやった(笑)。それを1万人ぐらいが見ていてくれて。あれは嬉しかった。
藤井 そういう遊び心っていうのは、一生懸命さとどこか余裕というか、それを同時に持ち合わせてないと出来ないですよね。
川上 そうですね。毎回できるかって言ったら、それはわからないけれども、まだああいう遊び方ができるっていうのは、面白かったなぁ~。
小島 普通なら、こんなことをやったら偉い人に怒られる。でもももクロの場合は、現場で一番偉い人がやるって言ってるんだから、やれちゃう(笑)。
藤井 ビジネス面を考えたら、まずできないですよね。
小島 そうやって音漏れ中継をしたり、テレ玉の生中継が終わったあとにUstreamでリレー放送したりという面では、西武ドームでの生観戦組より、むしろ在宅組の方が「ももクロ、変わってねえな」って部分を味わえたかもしれない。こんなにデカくなっても、まだこれをやってくれるんだっていう。
川上 本当は後ろを振り返るのはあんまり好きじゃないんですけど、ライブの翌日、行っちゃいましたもん、西武ドームへ。もう1回、見ておきたいな、と思ってふら~っと。なんか不思議な気持ちですよね。
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